慰安婦誤報で辞任の「朝日」前社長、大学に再就職 教える“歴史認識”

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■「帰って勉強しないと」

 2回目の講義があった17日、木村センセイはこんな話を教室で披露した。

「コカ・コーラはグローバリゼーションの飲み物だといわれますけど、フランスの国民戦線のマリーヌ・ルペンさんの父、ジャン・マリー・ルペンさんにお会いしたことがありまして。とにかくコーラを離さない。アメリカを“帝国主義者め”と言っている人が、ずっと離さない。これが均質化したマーケットが広がっていく世界の実像なんです。そのシステムの先駆けが、今日のテーマのコロンブスとマゼランですね」

 朝日お得意の自虐史観はおくびにも出さず、こうも言う。

「自分では“ミレニアムジャーナリズム”をやろうかなと。この500年を振り返り、あと500年、といったって何年、生きられるかわかりませんが、少し長いスパンで僕らの文明や社会における核の問題、北朝鮮の危機をどう考えればいいのか」

 半島情勢には言及しても、お詳しい筈のあの問題には触れず仕舞い。先々の授業計画を見ても慰安婦を巡る「歴史認識」を扱う様子は窺えないのだ。

 授業を終えた木村氏を直撃すると、

「若い人に何か伝えることが嬉しくて、ホッブズの『リヴァイアサン』を原書で読み直していますが、目がショボショボ。1回の授業に備え準備には十数時間を費やしていますから、また帰って勉強しないと」

 英国紳士のようにハットを被るその姿は、社長時代と比べ、憑き物が落ちたかのように見えるのだった。

ワイド特集「花の命は短くて」より

週刊新潮 2017年4月27日号掲載

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