美人詐欺師に狙われた「ローソン」玉塚氏 “甘かったと言われればその通り”

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■携帯にかけると

 ペーパーの出所を探すと、今回の一件に関わった別のM資金ブローカーに話を聞くことが出来た。それによると、

「ローソンの玉塚さんを騙そうとしたグループの中心にいるのは、岩合直美という女性です。彼女は最初から今回のM資金話に関わっていて、直接会ったかどうか分からないが、ペーパーにサインさせるよう仕向けたのは彼女です。ペーパーだけじゃない。玉塚さんがM資金のことで話しているテープもあると言っていましたね」

 M資金グループの中心が、岩合女史だとすれば、玉塚氏は大変な人物に見込まれてしまったことになる。何しろ彼女は、かつて髙島屋との架空取引をでっちあげ、北朝鮮系の金融業者・具次龍氏(故人)から3500億円を引き出した事件の張本人なのだ。

 かつての事件を知る関係者が言う。

「岩合さんは自分の会社を通して品物を髙島屋に卸せば、1割のマージンが抜けると言って具氏に仕入れの資金を融資させていた。しかし、これが真っ赤な嘘。具氏も愛人関係にあった岩合さんを溺愛するあまり、騙されていることに気が付かなかったのです。いよいよ詐欺がバレそうになると、岩合さんは具氏を誘拐・監禁して殺害しようと計画し、埋めるための穴まで掘っていた。結局、犯行寸前に検挙されてしまうのですが」

 90年に逮捕されたときは、稀代の美人詐欺師と呼ばれ、「若い頃の松坂慶子をふわっとさせたような容貌」だった岩合女史、出所後も「フリーメイソンに入った」とか、「与謝野馨大臣と食事した」などと触れ回っていたというが、66歳の今も「現役」で玉塚氏に接近していたとは驚きである。

「岩合さんは玉塚さんを直前で逃がしてしまい、とても悔しがっていたそうです」(前出のブローカー)

 そこで、事の経緯を確かめるべく、彼女の携帯にかけてみると、事実無根の事を書けば訴えるとメールを寄こして来た。M資金の「M」も伝えていないのにである。

特集「直筆で『この資金をお受けいたします……』ローソン『玉塚会長』退任の裏に『M資金』と『美人詐欺師』」より

週刊新潮 2017年4月27日号掲載

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