「渡哲也さん、一生お恨み申し上げます」 元幹部が明かす“石原プロは五輪前に解散”

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オリンピック前の解散

 石原プロは仲川氏の主張をどう受け止めるのだろうか。この4月に統括取締役に就任した浅野謙治郎氏に尋ねると、

「今回の役員人事は、3月26日の臨時株主総会で決定したもので、仲川さんは任期満了に伴う退任。決して解任ではありません。2年の任期を終えれば、重任されないかぎり退任となるわけで、仲川さんの認識不足じゃないですか。石原プロの株は3分の2超をまき子さんが持っていますが、仲川さんには株主への忠誠の義務違反、具体的には指示に対する拒否もあったと聞いています。そもそも77歳の後期高齢者でいらっしゃるので、新旧交代しようというのが一番の理由。だいいち、それを事前に伝える義務もないのです」

 忠誠の義務への違反とは、仲川氏が自身の専務への就任を打診したことを指すのか。

「そうした言動を含め、いろいろ細かいことがあったということです」

 では、新役員に渡が名を連ねているのは、何を意味するのか。

「最初は就任を辞退されたそうですが、まき子さんも高齢なので、バックアップ役が必要だということで、入ってもらったようです」

 だが、仲川氏は渡批判の矛先を弛めない。

「実は、石原プロを畳むという話は以前からありました。09年に裕次郎さんの23回忌法要を国立競技場で盛大に行いましたが、これを終えたら石原プロを解散すると、渡さんと小林さんの間で約束していた。ところが小林さんが話を反故にしたので、二人は激しく言い争いました。それも小林さんが追われた一因でした。

 ともかく渡さんは自分の目が黒いうちに幕引きしたい。今回の役員人事は、それを踏まえて会社を畳むためのものです。でも、なぜ無借金の石原プロをつぶす必要があるのか。新役員は全員、渡さんが右と言えば右。そんななかで僕のような跳ね返りは疎ましい。このままでは渡さんの思い通り、まき子さんに返すことになってしまう。

 最近まで、まき子さんも会社を畳む気はなかったはずですが、相続か何かでお金が入用だとか。東京オリンピック前に解散する方向で、渡さんの体調次第では早まるかもしれません」

 これについても、先の浅野取締役は、

「裕次郎さんの名が傷つくのを一番嫌っている渡さんの頭のなかに、解散という選択肢があるのは事実です。しかし、決定事項ではないし、今回の人事が解散のためだなんて、とんでもない」

 と否定するが。

「僕が常務として務めた6年を正当に評価してほしい。新役員の中に渡さんの名を見て、僕の退任も渡さんの指示だとわかった。渡さんに仕組まれたからこそ、僕はこういう形で告白せざるをえなかったのです。

 渡さんとは長い間、同じ釜の飯を食い、心から信頼してきたのに――。『仲川さんは俺を裏切った』と言われたその言葉をそのまま、渡さんにお返ししたい気持ちです。今回の件は、渡さんが僕を誤解して決断したのだと思いますが、誤りだとわかってほしい。こんな形で辞めさせられるのは残念でならないと、僕が思っていることを知ってほしい。

 これまで石原プロは仲間を大切にし、石原軍団と呼ばれるほどの鉄の結束を誇ってきました。それなのに僕から直接話を聞かず、この仕打ちは本当にひどい。僕は渡さんを、一生お恨み申し上げます」

週刊新潮 2017年4月27日号掲載

特集「『石原プロ』解散へ! クビを斬られた大幹部告白『渡哲也さん、一生お恨み申し上げます』」より

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