上田桃子、最終ホール“自作自演”80センチの悲劇

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上田桃子

 あまりにドラマチックすぎる悲劇だった。

 熊本空港CCで行われたKKT杯バンテリンレディス(優勝賞金1800万円)はちょうど1年前、熊本地震により中止になった。だからこそ、地元・熊本出身の上田桃子(30)には期するものがあった。

 初日、2日目と首位堅持。最終日も同組の2位・西山ゆかり(34)に2打差をつけ、最終18番ホールを迎えた。

 悲劇はそこで起きた。

 グリーンを囲む地元ファンは、桃子が残した80センチのパーパットをウイニングパットだと確信していた。

 だがその前に、西山の3メートルのバーディパットがある。

「西山は、ライン上にあるマーカーを移動するよう桃子に頼んだ。スライスラインでしたが、桃子は西山の要望通り左にマーカーを移動しました」(ゴルフ記者)

 奇妙なことに西山は、動かしたマーカーをかすめるパットを放つ。だが、球はカップ左縁でポトリ。これで1打差。

 とはいえ、桃子は80センチを沈めれば勝ちだ。ところが、

「西山のパットを見て、スライスがそれほど強くないと踏んだのか、桃子のパーパットは西山とは逆のカップ右へ。残念ながらこちらはカップ横を通過してしまいました」(同)

 ファンの悲鳴。まさかのプレーオフに突入である。

 18番を使ったプレーオフ1ホール目。上田の第2打で再び悲鳴が起きた。

「2オン狙いで勝負を賭けた桃子のショットがグリーンにわずかに届かず、土手を転がって手前の池に落ちてしまったのです」(同)

 それを見た西山は、手堅く刻んでパーをセーブし優勝。一方、ボギーの桃子は、

「試合後、“たくさんの声援をいただいていたので申し訳ない。情けない”と声を詰まらせていました」(同)

 次こそ、がまだせ桃子!

週刊新潮 2017年4月27日号掲載

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