「石原プロ」元幹部、渡哲也への怨嗟 「僕の退任は渡さんが主導した」
■「石原プロ」解散へ クビを斬られた大幹部の告白(上)
あの石原裕次郎が設立した芸能界の老舗で、鉄の結束を誇った石原プロモーションが、 ついに解散に向けて動き出したという。その狭間でクビを斬られた元常務の仲川幸夫氏(77)が、渡哲也に向かって投げかける怨嗟の声は、まさに石原プロの断末魔の叫びのようである。
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仲川幸夫氏
「今、語っておかないと、これまで40年間、石原プロで勤め上げてきた僕の人生に悔いが残ってしまう。僕を育ててくれた大事な石原プロを、裏切ったように思われながら終わるのは悔しいのと同時に、このままでは、裕次郎さんが築き上げた『石原プロモーション』の名前自体が消滅してしまいかねません」
そう語り出した仲川幸夫氏が、弁護士からの配達証明郵便を受け取ったのは3月10日だったという。石原プロの会長である石原まき子さん(83)、すなわち裕次郎の未亡人の署名入りの手紙が同封され、
〈平成二十九年三月で取締役の任期満了によりご退任頂く〉〈弁護士さんに役員関係・他すべてのことを委任しますので話を聞いてください〉
などと書かれていた。
「これからはまき子さんと直接は一切話せないということ。突然の知らせで、非常に動揺しました。
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この日、僕は例年通り、渡哲也さん(75)の確定申告をするため、渡さんの奥様と一緒に都税事務所に行っていました。渡さんの体調が悪化してからは、代行される奥様に僕が付き添うのが恒例でした。この日も道すがら、渡さんの病気の様子を窺うなどし、普通に会社に戻ると弁護士から手紙が届いていたのです。
渡さんに電話して『僕はクビなんですか?』と聞くと、『いや、任期満了なんだよ。クビじゃないよ』と言う。しかし、次いで告げられた言葉に、一瞬、耳を疑いました。
『仲川さんは俺を裏切ったんだよ』
僕は意味もわからず、ボーッとしてしまいました。
石原まき子氏
退任を知らされてから任期満了までの20日間、調布市の石原プロで残務処理を進め、弁護士にも会いました。その際、『退職慰労金として6000万円をいただけないか』と、まき子さんに伝えてもらうように言いました。新体制になってから6年、僕の月給は20万円で、ボーナスを入れても年収320万円。会社に貢献すべく、どの社員よりも少ない報酬でやってきました。結果、毎年黒字になったため、僕がいただく何十倍もの金額をまき子さんにお渡ししてきたのです。
ところが、次に弁護士に会うとゼロ回答。『退職慰労金を支払う理由がありません』とのことでした。最終的には『250万円をお支払いしましょう』と言われましたが、とても納得がいかない。そんな矢先、3月30日に新役員人事が発表されると、そこに渡さんの名前があったのです。
取締役は8人に増え、それ自体に異論はありません。しかし、渡さんがそこにいることから、『仲川外し』に渡さんが関わっていたことがわかった。それがショックでした」
仲川氏がそう感じたのには、根拠があるという。
「渡さんは2011年に社長を辞めてからも、事実上、石原プロの社長で、まき子さんにしても、僕にしても、会社の決め事はすべて渡さんに相談してきました。
実は、3月10日に受け取った手紙には、まき子さんの言葉で〈渡哲也さんに相談いたしてきましたが〉という一文が入っていました。そのうえ、新役員に渡さんが名を連ねているということは、僕の退任も渡さんが主導したに違いない。そう確信したのです。
僕は渡さんにも石原プロにも、裏切るようなことをした覚えはない。ただ、今になって考えてみると、誤解を招いたことはあったかもしれません」
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