山本周五郎を味わい尽くす BSジャパン「武士の魂」

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第一話は笛木優子と石黒賢(BS JAPAN ホームページより)

「椿三十郎」「赤ひげ」「どですかでん」といった黒澤映画、市川崑監督の「どら平太」や三池崇史監督の「SABU〜さぶ〜」、テレビでもNHK大河「樅ノ木は残った」などなど、いずれも原作は山本周五郎である。

 没後50年の今年は、BSジャパンで「山本周五郎時代劇 武士の魂」(火曜夜8時)がスタートした。新潮文庫所収の短篇をドラマ化した一話完結だ。

「山本周五郎原作と聞くと大作や、人情話といったイメージを抱く方も多いと思いますけど、短篇も多く、それがサスペンスだったり、ドンデン返しがあったり、予想がつかないものが多い」

 とは時代劇研究家のペリー荻野氏。確かに4月4日放送の第一話「大将首」も、夫婦愛を描いた人情話かと思えば、後半には突如として斬り合い、切腹……というヤマ場がやってくる。

「短篇でも起承転結がしっかりしているから、作り手も惹かれるんでしょうね。でも地上波でも時代劇が作られなくなっているいま、限られた予算のBSでよく頑張っていると思います。だから月の前半しか放送されないということもあるのでしょうけど」(同)

 そう、「武士の魂」は毎月前半のみという変則的な放送なのだ。月の後半はどうするかといえば、一昨年から放送された「山本周五郎人情時代劇」の再放送となる。

「第一話『なみだ橋』で主役の大工を演じたのは人気の高橋一生、第十二話『めおと蝶』は日本民間放送連盟賞優秀賞も受賞した見応えのあるものです」(同)

 むしろお得感!

週刊新潮 2017年4月20日号掲載

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