生島ヒロシも体験、介護のトンネルの中の“絶望” 他人事ではない介護殺人

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■「ちゃんと拝んでいます」

 介護殺人は他人事とは思えないと異口同音に語った介護体験著名人。「彼ら」に起きたことは、次に「我ら」に起きることでもある。

 第1回に登場した大阪の女性は、取材の最後にこう繰り返した。

「(介護殺人は)やってはいけないことやいうのは分かってます。そやけど、こればっかりはその立場にならな絶対に分からん。介護してる立場じゃないとね」

 そして、

「旦那の命日には、ちゃんと拝んでいます」

 彼女は終戦の翌月生まれである。2度のベビーブームを経ながら、超高齢人口減社会に突入した「戦後」の日本は、まだ大介護時代の解を見いだせていない。(文中敬称略)

 ***

(6)へつづく

特集「『橋幸夫』『安藤和津』『荻野アンナ』『安藤優子』『生島ヒロシ』他人事ではなかった『介護殺人』の恐怖」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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