ロシア外交のカギを握る「プーチンに狙われる女性学者」とは
4月7日、アメリカのトランプ政権は、シリアの軍事施設に向けてトマホーク59発を撃ち放った。直前の4日、シリア北西部で起った毒ガス攻撃に対しての制裁措置であるが、シリア・アサド政権を支えるのは、いうまでもなくロシアである。選挙期間中から積極的にロシアのプーチン大統領に“ラブコール”を送っていたドナルド・トランプのことを考えると、外交筋から、さまざまな臆測が飛び交うのも当然だろう。
「対露政策、急旋回か!?」、いやいや「事前にロシアに通告していたからデモンストレーションにすぎない」。さらに言えば、中国の習近平が訪米中だったこともあり「北朝鮮に対しての脅しだ」とか……。
大統領就任以降、過激に大統領令を発しては周囲を狼狽させるトランプの真意をはかることは、なかなか難しいが、少なくとも、一連の軍事行動がロシアに対しての“ラブコール”でないことは確かだ。ワシントン駐在のジャーナリストが言う。
「この2月、国家安全保障担当の補佐官だったマイケル・フリンが就任前に駐米ロシア大使と会談したことが明らかになり、辞任を余儀なくされましたが、この時明らかになったのが、意外に根強い米国民の“嫌露感情”です。世論に聡いトランプがこれを受けて、方針を切り替えたというのは容易に想像つく話です」
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