「金正日の料理人」平壌ツアーを企画 謎のカナダ人の狙い
■金正恩を尊敬
藤本氏といえば、今年2月の金正男暗殺事件直後に、レストランを開店させたことが報じられ話題となったばかり。そんな数奇な料理人との親交を謳うスパバ氏は、金正恩の数少ないアメリカ人の友人でNBA殿堂入りプレーヤーのデニス・ロッドマンとも関係が深いと胸を張る。
「3度あったロッドマンの訪朝、そして、北朝鮮とアメリカのバスケットボールの試合の準備に携わりました。アントニオ猪木さんの大ファンだから、平壌であったプロレスイベントの国際的プロモーションに協力して、海外からの参加者を案内したこともありますよ」
金正恩を尊敬しているとまで口にする彼は、一方で米政府の書簡を北へ届けているという憶測も海外メディアで流れているのだ。
その点を彼に問うと、
「それは恐らく噂に過ぎないものでしょう。私はあくまで、北朝鮮と諸外国の非政治的な交流に力を入れているだけ。海外の投資家、事業家を北朝鮮のパートナーに紹介するなどして、投資や貿易の推進に関わっています。ビール工場への投資は常に募集しており、出資者を探しているところです」
デイリーNKジャパンの高英起編集長が解説する。
「金正恩と特別な関係であることは間違いないですが、だからといって彼のツアーに参加することで何か恩恵を被ることはない。北朝鮮から外貨稼ぎを依頼されているようですけど、思うような結果を出せずに苦戦していると聞いています」
核実験など半島の緊張が高まる中で、日本人観光客を狙った“インバウンド”の胸算用は功を奏すか。
ワイド特集「秘中の秘」より
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