GPIF、「株主優待」はどう始末? 運用益10兆円

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 株式投資で配当金以外の楽しみの1つが株主優待。日本独自の商慣習で目下、実施しているのは国内上場企業で3割超の1348社だ。実は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)もその恩恵に与っているというのだが、いかに利用しているのか。

 GPIFの高橋則広理事長(59)は3月3日、昨年10月から12月までの運用実績が約10・5兆円の黒字だったと発表した。全国紙の経済部記者が解説するには、

「2001年の自主運用以降、四半期ベースで過去最高の実績。黒字の要因は、就任前のトランプ大統領への“期待”による世界的な株高でしょう。ちなみに国内株式の運用益は4兆6083億円で、こちらも過去最高を記録しました」

 GPIFの運用資産額は144兆8038億円で、国内最大の機関投資家だ。直接投資が法律で禁じられているため、信託銀行など38社の金融機関を通じて購入。3年前に“日本株”の比率を12%から25%へ引き上げている。

「株主優待は個人株主に限定されたものではなく、機関投資家もその対象。事実上、多くの上場企業の“大株主”になっているGPIFも、当然受け取る権利があります」(同)

 株主優待を実施する企業の多くは3月決算。投資家は一定の株式を保有して、3月末時点の株主名簿に載っていれば権利が確定し、主に6月の株主総会以降に株主優待を受け取ることができる。ニッセイ基礎研究所の井出真吾・チーフ株式ストラテジストによれば、

「株主優待は自社製品の割引券やお食事券が一般的ですが、なかには超高利回りのものもある。例えば、自動車ディーラーのVTホールディングスは4万円分の割引券で、利回りは70%以上になります」

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