親日「サウジ」恐怖の“勧善懲悪委員会” 鞭打ち、斬首刑…

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コンビニの店員にさえ

 サウジはイスラム教のなかでも最も厳格な教えを奉じる国である。したがって、

「飲酒すれば鞭打ち、窃盗なら左手首から先を切断されることになります。そのなかでも、最も罪悪とされるのが不倫。両者は腰まで土に埋められて、死ぬまで石が飛んでくる『石打』が待っています」(同)

 これらの情報源はいわば五人組的なものによる密告であり、それを奨励するのが、他ならぬ勧善懲悪委員会なのだ。

 昨年、英国で制作されたサウジ潜入取材記である「Saudi Arabia Uncovered」の映像もまた影の部分に光を当てており、概要は、

〈15年には157人が暗殺されている。街の一角の公開処刑場で斬首されることさえある。デモに参加し、その模様を録画していた17歳の少年は、政府への反逆罪で逮捕・起訴後に死刑判決が下された。国民の4分の1が貧困層で物乞いの姿が目につく〉

 といったもの。貧困については、飯塚教授も、

「サウジ人には月に7万円という最低賃金保証が義務付けられている一方、インドなどからの出稼ぎ労働者の場合は月に1万円。当然、雇用は外国人を中心に回ることになって、サウジ人はコンビニの店員にさえなれないという悲劇があちこちで起こっているのです」

 今回のアジア歴訪で、オイルマネーに代わる新産業の創設を模索するのだが、

「そもそも観光ビザが出ないので、その目的では入国不可能です」(同)

 という国で改革の実現など画餅ではないか。となると国は老いるばかりで、国民は更に身上持ちかねる。

ワイド特集「我が世の春」より

週刊新潮 2017年3月23日号掲載

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