乳児噛み殺し事件 従順なレトリバーが凶暴化する5つの引き金

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■愛犬家への教訓

 翻って、では全国に数多いるゴールデンレトリバー愛好家への教訓は何か。

 専門家が口を揃えて言うのは、「どんなにレトリバーがおとなしくても、100%の安全はない」ということだ。上記に触れた5つの「引き金」も、いずれも身近に起こりうることばかり。

 先の佐良さんは、

「小さな子どもがいる時は万が一のことを考えて、ケージの中に入れておくべき。いくら可愛い犬だからと言って、犬を信用し過ぎるのは厳禁です」

 これを受けて前出の遠藤氏も言うのだ。

「レトリバーは、後ろ足で立てば120〜130センチ程度になりますから、少なくとも小学校の3〜4年生以下の子どもがいたらケージで飼うべきです。あるいは事前にお子さんの匂いの付いたタオルをかがせるなどの“準備”が必要だったのではないでしょうか。どうしても、飼い主は自分の犬に対しては甘くなってしまうのです」

 愛犬ブームの一方で起きた悲劇の教訓は、犬が獣であり、凶器になりうるという、ごくごく当たり前だが、見落しがちな事実。

 しかしその代償として一家が見た現実は、あまりに重いと言わざるを得ないのだ。

特集「なぜ大事な乳児を噛み殺したのか? 800万『愛犬家世帯』が慄然!
従順な『レトリバー』が狂暴化する『5つの引き金』」より

週刊新潮 2017年3月23日号掲載

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