露、ディズニー作に難癖 プーチン成立の“同性愛宣伝禁止”

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プーチン大統領

 アメリカの著作権ビジネスは今や、同国の化学産業や航空機産業、農業製品や医薬品を遥かに凌ぐ額を稼ぎ出す“お宝”だ。

 その総額たるや2・1兆ドル(約239兆円)に達し、GDPの11・7%を占めるとも言われるが、中でも映画産業、特にディズニーの存在感は言を俟たない。

「そのディズニーの新作、実写版『美女と野獣』のロシアでの上映を、保守強硬派、ミロノフ議員が“禁止せよ”とぶち上げました。作品にはゲイのキャラクターが登場するのですが、議員は“子供向けの物語で”“道徳的な罪や歪曲された性的関係”を公開するのは許されない、と主張。露文化省は映画を“16禁”に指定したのです」(国際部記者)

 ロシアでは2013年に未成年者に対する「同性愛宣伝禁止法」が制定され欧米から批判を浴びたが、同議員はその立法の旗振り役。

 あるロシア通の国際政治研究家は言う。

「ロシアでは宗教的理由もあって同性愛者への偏見が根強いのですが、ロシア正教会を抱き込んで法律を成立させたのはプーチン大統領です。ソチ五輪直前、彼は“(ソチでは)同性愛者も安心していい”“ただし、子供たちには近づかないでほしい”と発言して世界中の非難を浴び、オバマ米大統領をはじめ英独仏など当時の各国首脳の五輪開会式欠席という事態を招きました。その意趣返しではないでしょうが、米国に対しては含むところがあるはず」

 ソチの敵をディズニーで討つ、というわけか。

週刊新潮 2017年3月23日号掲載

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