過去の罪が消せると思うか 「グーグル犯歴削除」を請求したタワケたち

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■最高裁が棄却

 もっとも、わが国ではいささか事情が異なる。一昨年暮れ、さいたま地裁がこの権利に言及したことは大きな話題となったのだが、グーグルはなおも不服を申し立て、舞台は東京高裁へと移った。

 そして16年7月、高裁は保全抗告審で、

〈(「忘れられる権利」は)法律で定められておらず、プライバシー権などとは別にして扱うべきではない〉

 との判断を打ち出し、削除は認められないとする逆転決定を下したのである。

 今回、最高裁は「忘れられる権利」については一切触れず、ユーザーへの検索結果の提供が違法か否かの点については、

〈プライバシーに属する事実が伝わる範囲と、本人が被る被害の程度、社会的地位や影響力(略)など、事実を公表されない法的利益と、検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもの〉

 であるとし、

〈その結果、公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には、削除を求めることができる〉

 初めての統一判断を示しながらも、この男性については、

〈児童買春が児童に対する性的搾取及び性的虐待と位置付けられており、社会的に強い非難の対象とされ、罰則をもって禁止されていることに照らし、今なお公共の利害に関する事項である〉

 従って、

〈公表されない法的利益が優越することが明らかであるとはいえない〉

 と、その請求を棄却したのである。

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