安倍総理、オフレコ懇談で小池都知事にエールの怪 森友問題で窮地

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小池都知事

■「彼女との関係は…」

「他には、フランスの極右政党党首のルペンのことや、アメリカのトランプ大統領について、安倍さんは自慢げに話していました」(官邸関係者)

 しかし、この話題を一部の記者は退屈そうに聞いていた。なぜならば、政治記者と一口に言っても、彼らはツータイプに分かれ、ひとつは「政策記者」であり、もうひとつは「政局記者」だからである。後者の面々は、遠い海の向こうの話ではなく、何と言っても身近なキナ臭い話が大好物なのだ。籠池夫妻と並び、目下、巷(ちまた)を最も賑わせている政局のキーマンと言えば……。

「彼女と私は、皆さんが思っているような悪い関係じゃないですよ」

 安倍総理のこの言葉に、政局記者の耳は吸い寄せられた。彼はこう続けた。

「都議選も彼女が圧勝だろうね」

 そう、森友問題と「覇権」を争っているワイドショーの2枚看板のもう一方、小池百合子都知事(64)について、安倍総理は言及したのだ。さらに、

「小池さんはキャッチフレーズが上手いよね。『クールビズ』とかさ。自民党本部の広報の仕事をやっていた時も、演出なんかが巧みなんだ」

 先の官邸関係者曰く、

「安倍総理は小池さんをとても評価し、持ち上げていた」

 政治部デスクが解説する。

「第1次安倍政権下で、総理の意に反して防衛相を辞任し、その後の総裁選で石破さん(茂・前地方創生担当相)の応援に回った小池さんを、安倍さんは決して許してはいません。しかし、森友問題と人気絶頂の小池さんの両方に対峙する『2正面作戦』は得策ではないと判断し、小池さんに気を遣ってみせたんでしょう」

 かくして、一強総理は戦線不拡大の道を選び、森友ショックのダメージを最小限に食い止めようとの作戦を展開したのだった。

特集「『森友学園』の火薬庫」より

週刊新潮 2017年3月16日号掲載

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