三田佳子、「放送文化賞」受賞 松坂慶子に8年遅れの理由は

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三田佳子

 第68回(2016年度)日本放送協会放送文化賞が発表された。といってもご存じない方が多いかも。

「放送事業の発展、放送文化の向上に功績のあった方々に贈呈しています」

 とはNHK広報局の弁。

 で、受賞者は、緊急地震速報の実用化を推進した東大名誉教授の阿部勝征氏(故人)、8K放送の送受信方式の構築に貢献した東京工業大学理事・副学長の安藤真氏(65)らに並んでタレントのタモリ(71)と女優の三田佳子(75)といった総勢6名である。

 かつて「長い間NHKに出られなかった」と明かしたこともあるタモリも「ブラタモリ」などが功績として認められたわけである。

「でもね、選考委員会では“タモリはまだ『笑っていいとも!』のイメージが強い”なんて声も上がったんですよ。驚いたのは、三田さんがまだだったこと」

 とは、とある選考委員。

 過去には女優では1958年度に杉村春子(50)=当時、以下同=、83年度に黒柳徹子(50)、2002年度に吉永小百合(58)、03年度に岩下志麻(63)、松坂慶子も08年度に56歳で受賞している。三田は「いのち」「花の乱」と複数の大河で主役を務めた唯一の女優であり、紅白では2年連続で紅組司会を務めた。NHKにとって、これ程の貢献はない。

 なぜいまなのかNHKに訊いても冒頭の“功績のあった方”を繰り返すばかり。

「やはり次男の事件のせいじゃないですか。歌手でいえば、北島三郎は受賞していますが、美空ひばりはないですからね。でも三田は14年には叙勲もされていますから、禊ぎが済んだということか」(社会部記者)

 そうして過去の受賞者(437人)を見ると面白い。“民法の父”、法学者の我妻栄は放送法の研究で受賞し、経営の神様・松下幸之助はラジオ・テレビの普及に貢献したと74年度に受賞。ソニーの創業者・井深大も放送機器の製作改善で76年度に受賞したが、もう1人の創業者である盛田昭夫には与えていない。川上哲治、王貞治に贈呈しても、長嶋茂雄にはない……。

 志の輔師は14年度に受賞しているが、ガッテンできないぞ、NHK。

週刊新潮 2017年3月16日号掲載

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