北の4発同時発射、日本のミサイル防衛では太刀打ちできず

国際 韓国・北朝鮮

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 実兄の暗殺に続き、またしてもミサイル発射。もはや暴発寸前の状態にある北朝鮮だが、その挑発はさらに拍車が掛かる一方だ。

 北朝鮮が日本海に向けて4発のミサイルを発射したのは、3月6日朝。1000キロ飛んだミサイルのうち3発は秋田県沖、日本の排他的経済水域に着弾したという。社会部記者の話。

「ミサイルはほぼ同時に撃たれたと見られています。現在行われている米韓合同軍事演習に対抗したと考えられ、日本の米軍基地を意識して撃ったのでしょう」

 足音を立てて、“危機”が近づいてきた感があるが、韓国ではミサイル発射を牽制するかのように翌7日から、米軍の高高度防衛ミサイル「THAAD」(サード)の配備が始まった。日本でも自民党が配備を検討しているが、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏によれば、

「現在、日本のミサイル防衛体制は、イージス艦から発射して宇宙空間で迎撃するSM3と、低い高度で迎撃するPAC3の2段構成となっています。サードは地上40キロから150キロぐらいをカバーするため、より防衛体制が厚くなります」

 半径200キロほどが守備範囲となるため、数部隊で国内の大都市圏を守ることが可能だという。しかも、

「イージス艦では実際の場合、1隻あたり数発のミサイルしか落とせないと言われています。その点、サードは、これまでの実射訓練では、ほぼ、撃ち落とせている。層を厚くするという意味で、サードは非常に有効です」(同)

 つまり現状の迎撃システムでは北朝鮮ミサイルに太刀打ち出来ないということだろう。

 問題は数千億円に上る費用だが、核ミサイルが飛んでくることを考えたら……。備えあれば憂いなし。

週刊新潮 2017年3月16日号掲載

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