朝日新聞、軍部の「声」代弁の読者投稿欄 知られたくない不都合な真実
朝日新聞東京本社
■「朝日新聞」がひた隠しにした戦時中の「声」(下)
今年、朝日新聞の読者投稿欄「声」が100周年を迎えた。2月5日付の朝刊では「声 100年の歩み」と題した特集記事を掲載したが、先の大戦中の「声」には触れず。戦中の紙面をのぞけば、そこにあるのは〈日本は神国である〉と西暦使用に異を唱える声、学生のアルファベットの襟章を憂う〈国辱もの〉といった声の数々だ。朝日新聞が戦意高揚に一役買っていたとなれば、今の読者に知られたくないのも頷ける。
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近代メディア史に詳しい早稲田大学名誉教授の山本武利氏が解説する。
「戦時中、朝日新聞は最も軍部に協力的な新聞だと言われていました。軍と協調して、国民を鼓舞するような誇大な報道をして部数を増やしたわけです。大本営発表を通じて日本が戦争に勝っていると書き、多くの国民は朝日を読めば安堵する。軍部よりも威勢がよく過激な部分がありました」
特に朝日は他紙とは異なり、創刊以来リベラリズムを旨として軍に批判的な記事が多かったという。
「そんな新聞が軍に追随したので、国民も“朝日が言うなら”と、一気に戦争へ傾いていったのです」(同)
戦局の悪化と共に、朝日は読者投稿欄においても軍部の「声」を代弁していく。
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