「プレミアムフライデー」に銀座ホステス嘆息 吉原ソープも盛況ならず

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「小学生じゃあるまいし」

 新橋の隣、銀座の高級クラブ街も閑散としていたというが、プレミアムフライデーはホステスたちにも不評だったとか。その理由は、

「普通、客との同伴出勤といえば午後6時半頃に待ち合わせて食事をして8時半頃店に行けばいい。が、プレミアムフライデーで3時半に客と待ち合わせると、5時間も店外で一緒に過ごさなくてはならない。ある女の子は“時間があるからホテルに行こう”としつこく誘われた、と嘆いていました」(あるクラブの黒服)

 どうやら飲食店や高級クラブ、そこで働くホステスにとってはプレミアムどころか魔の金曜日になってしまったようなのだが、消費喚起と言えば、風俗店で遊ぶのも立派な消費。風俗街は如何なる様子だったのか。

「客足は普段の月末の金曜日と変わりなかったです」

 そう話すのは、吉原の高級ソープランドの店長。

「ウチの店は通常、2時間で8万円。ただ、決まった女の子の本指名ではなく、写真を見ての新規指名なら1万円割引、さらにあの日は、店で“プレミアムフライデー”と言うとさらに5000円割引、とHPで告知したのですが、そのサービスを使った人は1人もいませんでした」

 落語家の立川談四楼氏は、

「金曜の夜は落語家にとっても書き入れ時で、“皆さん、今日は我々の労働現場を見てって下さい。これがホントの『金曜労働ショー』”なんてマクラでやるんですが……」

 として、こう話す。

「ただし、近ごろは午後6時開演の落語会だと間に合わないお客さんも多く、8時開演なんてのも増えてるんです。それだけ定時で上がれない人が多いってことなのに、早く会社を出て金を使え、なんて『何も分かってねぇなぁ、おい』って言いたくなりますね」

 ジャーナリストの徳岡孝夫氏も苦言を呈す。

「プレミアムホリデーだか何だか知りませんけど、アホか!の一言。『3時ですよ。皆さん帰りましょう』なんて小学生じゃあるまいし。会社員と公務員の人生観は根本的に違う。会社員は仕事が上手くいかなかったら明日は食えなくなるかもしれないが、公務員は明日も明後日も安泰。だから、やることが的外れで現実味がないのは当然のことなのです」

 お上から押し付けられる「花金」。そんなものが成功するはずがないのだ。

特集「『プレ金』が馬鹿馬鹿しいと感じたら正常な大人」より

週刊新潮 2017年3月9日号掲載

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