風前の灯「社民党」、経費削減で本部を移転 隅田川べりに

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見晴らしは良いが心は晴れない?

 かつて200人以上いた国会議員も、もはや4人と風前の灯。マドンナ旋風はとうに止んで久しいが、今後は隅田川べりで、川風にあたることになる。

 社民党が東京・永田町の党本部移転を発表したのは、2月26日のこと。政治部記者によれば、

「現在の党本部は、2013年に入居した民間の賃貸物件です。約700平方メートルで、賃料は年に約4000万円。昨年の参院選で吉田忠智党首が落選したため、今年は政党交付金が約4600万円も減ることになります。経費削減の移転です」

 以前の党本部は、永田町の一等地に1964年に建てられた「社会文化会館」。場所柄、通称“三宅坂”と呼ばれる自前の本部だった。

「土地は国有地でしたが、建物は地上7階建て。床面積は約6400平方メートルもありました。老朽化が進んで建て替えを検討し、結局、金の融通ができず、現在の場所に移ったのです」(同)

 それから、わずか4年。再度の引越しであるから、よほど懐事情が悪いのか、ついに“都落ち”と言うほかあるまい。5月に移転するという新天地は、永田町から3キロほど離れた中央区湊3丁目。隅田川の川べりに建つ賃貸オフィスは、八丁堀や月島に近く、周辺には下町の雰囲気が漂う住宅街が所々に残る。

 社民党関係者が言う。

「今度の家賃は、現在の3分の1ほどになるそうです。又市征治幹事長は、“国会まで車で15分。公明党や共産党より近い”と言っていましたが、実はそうでもないし、それらは自前の物件ですからね。賃貸の我々と比較するのはおこがましいですよ」

 もっとも、他にも努力はしているようで、

「毎週開いていた常任幹事会という会議の回数を、隔週に減らしました。“一般人”になった党首らが上京する交通費や宿泊費を節約するためです」(同)

 政党要件を満たすのもギリギリ。これが最後の引越しになりかねない。

週刊新潮 2017年3月9日号掲載

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