渡辺裕之、“ファイト一発”ゴミ拾いを語る

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上腕二頭筋はこう鍛える(本人のFacebookより)

 ファイトー!

 イッパーツ!

 でお馴染みのCMといえば、未だに俳優・渡辺裕之の勇姿を思い浮かべる方が多いのではないか。

「いや、もう四半世紀も昔の話、61歳ですよ。ただ体型は当時を保っていますよ」

 とは渡辺氏本人の弁。スロージョギングを始めて9年目になるという。

「肥満の友人が心筋梗塞で倒れて、自分もこのままじゃいけないと思ったのが始めたきっかけ。でも長距離を走るのは苦手でね、スローなら良いかと思って」

 ファイトのない台詞だが、

「走り始めたら、何だか放り捨てられているゴミが気になり出した。嫌じゃないですか、自分の家の周りが汚れているのは。最初はコンビニ袋だったけど、とても入りきらない。45リットルのゴミ袋をウエストバッグに入れ、軍手では屈まないといけないから、トングを持ってジョギングついでにゴミ拾いを始めたんです」

 空き瓶、空き缶、煙草の吸い殻、雑紙、尿入りペットボトルなんてものまで。

「“大”の方もあるんですよ。やむにやまれずなんだろうけど、自分のウチで処分してくれないかなあ。厚いマンガ誌も濡れると重いしね。おかげで上腕二頭筋が鍛えられる。トングを使うときには片足スクワットでやったりもするんです」

 役者がゴミ拾いなんて止めろ、と言われることもあるという。

「好きでやってるだけだから。綺麗になると清々しいし、俳優って仕事のないときは不安なんですよ。でもゴミ拾いしてるとね、ちょっとは社会の役に立っているなと思って安心できるんですよ」

 息子と一緒にやることもあるが基本は1人。

「Facebookに載せると、一緒に拾いましょうなんて誘いもあるけど、2人でやるなら他にもゴミはあるからね。女房(原日出子)? 彼女は母親業と主婦業で忙しいから。彼女のお陰でボクはゴミ拾いが出来てるんです」

 もはや神々しくさえある。

週刊新潮 2017年3月2日号掲載

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