外国人女流棋士第1号・ステチェンスカさん、年収は100万円

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カロリーナ・ステチェンスカさん(Shogiru/Wikimedia Commons)

 結果は“シロ判定”とはいえ、スマホ不正疑惑の話題で持ちきりだった将棋界に、久々の明るいニュースだ。

 2月20日に行われた、第44期女流名人戦の予選準決勝。貞升南・女流初段を下し、決勝に進出したポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカさん(25)が規定を満たし、女流棋士の資格を獲得。初の外国人女流プロ誕生とあいなった。

 将棋ライターが言う。

「彼女は16歳の頃、母国で漫画『NARUTO』の登場人物が将棋を指すシーンを読み、将棋に興味を持ったそうです。その後、ネットの対戦サイトで腕を磨いていたところ、初の東大生棋士として知られる片上大輔六段の元妻、北尾まどか女流二段の目に留まり、2013年に来日しました」

 山梨学院大学に入学後、一人暮らしをしながら、2年後に女流三級に昇級。現在は同大大学院に籍を置き、今回、3度目の挑戦で、ようやく女流プロの名を手に入れた。今後は、さらなる活躍が期待されるが、

「プロになったからと言って、安泰ではありません」

 というのは観戦記者。

「あくまでも“女流”ですからね。女流のトップ棋士でさえ、プロを目指す育成段階の男性棋士には歯が立たない。それほど力の差があります」

 そのことは、収入面にも直結していて、

「羽生善治さんクラスですと、獲得賞金と対局料で年間1億円はありますが、女流棋士はトップレベルですら、1000万円超なんてほぼいません。大抵は、イベントやアマチュアの対局指導で糊口を凌いでいる世界です。彼女の場合、“プロ”とは言え、せいぜい年間100万円がいいところではないでしょうか」(同)

 その分、イベントなどで稼ぐことになる。が、

「初めのうちは、外国人という物珍しさでお声が掛かるでしょうけど、タレントのような女流棋士が沢山いますからね」(同)

 実力でのし上がれ!

週刊新潮 2017年3月2日号掲載

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