自衛隊員のことを本気で考えよ 百田尚樹・青山繁晴が議論
本気で自衛隊のことを考えよ
青山 本来、拉致被害者が乗っていようがいまいが、主権国家だったら、必ず接舷して臨検しなければいけないんです。
百田 実際には、船内に拉致被害者がいたかどうかわかりません。調べることができなかったので、明らかにはなっていないだけで、いた可能性があると言われてるんです。仮に甲板に日本人が乗ってて、助けてくれと言うてた場合、じゃあ、自衛隊は何ができたのか。どうもできないんですね。
青山 できません。ただし、自衛隊の名誉のために言っておけば、隊員たちの意識は別なんです。私の経営している(対談当時)独立総合研究所では、毎年2人自衛官を研修で受け入れています。今までうちに来た研修生に、こういう問題を尋ねると、1人の例外もなく「たとえ法律違反を問われ、場合によっては死刑になろうとも、日本人を助けるために動きます」と答えます。「日本人を助けるために乗り込んで、相手が撃ってきたら、あるいは撃とうとしたら撃ちます」と。それは海上自衛隊に限らず、もしも我が国が爆撃されそうだと思えば、航空自衛隊は法律も危険も乗り越えて命がけの行動に出てくれるでしょう。
こういうことを踏まえないSEALDsの諸君に、「自衛隊の命を守れ」とデモで言われても……。
百田 片腹痛いです。以前、「虎ノ門ニュース」の企画で、お話を伺った、特攻隊の生き残りの加藤昇さんは、こんなことを仰っていました。
「憲法9条って竹光みたいなもの。日本刀じゃないでっせ。部分戦争が永久に起こらないという確証はないですよ、その時に誰が防ぐのかいうたら、男しかないでしょ」
もう1人、元零戦搭乗員の藤本さんは、こう仰っています。
「自分の国は自分で守らなければいかん。自分の国は自分で守ると。これが原則だと思います」
護憲派の人たちは二言目には「歴史に学べ」と言うけれども、こういう先輩方の言葉をどう受け止めるんでしょうか。
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むろん、PKOで活動する自衛隊員の安全も極めて重要な問題である。しかし、国会での議論を見る限り、本気でそれを心配して「追及」している人は少ないように感じる人も多いのではないか。
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