芦田愛菜、「NN勉強法」で2つの難関校を突破 どちらに進学?

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■「場数が違う」

 その教材の一部を紹介すると、例えば表紙に「絶対合格!」と刷り込まれた「JG(女子学院)の理科」と題する冊子には、物理分野の過去問が「電気」「運動」「力学」等とジャンル別にぎっしり収録されている。

 また9月に実施された「NN女子学院プレオープン模試」では、社会で歌舞伎の歴史についての大問があり、さらに実際の入試問題に似せた11月の「入試本番体験講座」国語には、吉本隆明の『13歳は二度あるか』が題材に──。

 こうしたカリキュラムと向き合ってきた愛菜ちゃんは、

「成績もよく、先生からは『女子学院は大丈夫』というお墨付きをもらっていたのですが、心配事もありました。2カ月ごとに行われるNNコースのクラス分け試験で、はじめはトップの組に入っていたところ、受験直前で2番目のクラスに落ちてしまい、本人は不安を感じていたといいます」(同)

 それでも、つぶさに研究して臨んだ甲斐あって、本番の2月1日は無事終了。翌日には吉報がもたらされた。そして、愛菜ちゃんはなおも気を緩めず“もう1つの本命”に心をシフトしていったというのだ。

「ひとまず女子学院に手続きの納入金を支払い、慶應中等部の試験に備えました。3日の一次試験、5日の面接など二次試験を経て、6日に最終合格。選択を迫られることになったのです」(同)

 通常、大学進学を見据えるのであれば、早慶などエスカレーター校より御三家のほうが視野は広がる。ましてや念入りに対策を練ってまで掴んだ合格。思い入れもひとしおのはずだが、

「入学後、どちらが芸能活動を続けやすいか。また、もし女子学院を選べば6年後には再び受験で、その時はさすがに“休業”せざるを得ない。それらの点を考慮し、現在は慶應を選ぶ方向に気持ちが傾いているというのです」(同)

『大学付属校という選択』を著した教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、

「女子学院は教養主義の校風で良い教育をしますが、『受験は自分で頑張ろう』という風潮で、学校で特に面倒を見てくれるわけではない。愛菜ちゃんのようなケースでは、大学付属校のメリットが大いにあると思います」

 それにしても、本格的なスパートは秋以降というのだから、愛菜ちゃんは実に5カ月で偏差値70を突破したことになる。これもまた、天才子役ゆえの“離れ業”なのだろうか。

「日常的に膨大な量のセリフを暗記してきた芦田さんには、特に社会科で細かい記憶力が求められる女子学院の入試は圧倒的に有利でしたね」

 とは、東大医学部出身で受験事情に詳しい精神科医の和田秀樹氏である。

「大人と一緒に演技をしてきたことで、言語センスやシチュエーションの理解力も自然と身についているはず。その点でも、国語を重視する女子学院や慶應中等部は向いていたと思います」

 能力のみならず、メンタルも盤石だったという。

「子役とはいえ、ワンシーンワンカットの世界で、セリフを間違えれば先輩の役者に迷惑が掛かる。そんな計り知れないプレッシャーの中で仕事をこなし、幼くしてオーディションに落ちる挫折も経験している。生まれて初めての大舞台が中学受験という6年生が多い中、彼女はそもそも場数の踏み方が違うのです」(同)

 やはり、一芸は百芸に通ずるのだ。

特集「わずか5カ月で偏差値70突破! 一流中学を総ナメにした『芦田愛菜』のNN勉強法」より

週刊新潮 2017年2月23日号掲載

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