“自分ファースト”小池都知事 「反内田」で悪評の候補推し、「公明」配慮の予算案
予算案のカラクリ
1月25日、彼女の手による初の予算案が発表され、世帯年収760万円未満の家庭の子どもに対する「私立高校授業料実質無償化」が盛り込まれたが、都政担当記者が解説するには、
「公明党の支持母体である創価学会の会員は、裕福ではない家庭も少なくないため、従来、私立高校授業料無償化を求めてきました。小池予算案は、この公明党の主張を飲んだものです。彼女にしてみれば千代田区長選、都議選に向け、公明党の懐柔に成功したと言え、公明党にしても都議選で自分たちの手柄とアピールできる。ウィン―ウィンの結果ですが、予算の政局利用であり、都職員の中にも首を傾げている人が多い」
都政取材経験が長い政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏もこう後を受ける。
「小池さんと公明党が『ズブズブ』なのは明らかです。私立高校授業料無償化だけでなく、予算案の中には公共施設のトイレの洋式化や保育士の待遇改善に向けた金銭的補助も入っています。これらも公明党が訴えてきたもので、小池さんはそこに乗っかった。都議選を経て、『小池新党』と公明党で都議会の過半数を制したいというのが彼女の思惑でしょう」
千代田区長選の結果を見るにつけ、小池氏の掲げる都民ファーストは未だ熱烈な支持を受けている感が否めないが、一方で、予算案のカラクリを知ると、「選挙ファースト」「自分ファースト」ではないかとの疑念が、否が応でも頭をもたげてくるのである。
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