安倍総理、長期政権へ意欲を漏らす “中曽根超え”祝いの会で

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3期務めれば“桂”超え

 謙虚に見せてはいても、みなぎる野心が時おり、顔をのぞかせる。1月24日夜、日比谷公園にある老舗レストラン、松本楼での出来事である。自民党幹部の話。

「ついに、昨年12月、中曽根康弘元総理の在任期間(1806日)を超えたので、二階幹事長がお祝いの会を主催したのです。自民党の役員ら約20人が一つの長テーブルを囲んで、総理はフランス料理のコースとお酒も召し上がっていました」

 会では高村正彦副総裁が、

「長く務めることはとてもいいことだ」

 と挨拶。すると総理は、

「長いことも重要ですが、何を為しえたか、が大事だと思います。不人気な政策を実現できるのも党の皆さんのおかげです」

 そう謙遜して、感謝の意を表した。とはいえ、
「長期政権への意欲が垣間見えました」

 と明かすのは、さる自民党関係者。

「在職日数の話になった時に総理は“戦前から数えて、歴代トップ10のうち5人は山口県出身なんです。ちなみに一番は桂太郎さんですよ”と披露して、皆を驚かせていた。それを聞いて、ああ長くやりたいんだな、と思いましたね」

 桂太郎も長州出身で、日露戦争時の首相として知られる。在任期間は2886日だった。

「実は総理の携帯の中には歴代のリストが保存され、逐次チェックしている。だから、正確に把握しているのです」(同)

 3月の党大会では総裁任期の党則が改正される。“3期9年”が正式に決まれば、気になるのは悲願であるアノ話。政治部デスクが言う。

「会合では憲法改正については言及しませんでした。最近、総理の発言が少ないので、憲法審査会の議員から“憲法より長く政権を維持することに執着している”という声も聞かれます。だが、そうではない。今はあえてハレーションを起こさず、議論が熟すのを待っているわけです」

 急がば回れとは言うけれど、“安倍一強”の余裕が招くのは、思わぬ落とし穴だったりして――。

週刊新潮 2017年2月9日号掲載

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