早くも始まった経団連“ポスト榊原”レース 本命は

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安倍応援団の1人

 日立“V字回復の立役者”の1人である中西会長は、川村路線を継承。シャープが外資の傘下に入り、東芝が不正会計や特損発生で苦境に立たされているなかで、日立は英国の鉄道事業を受注するなど堅実な経営を続けている。家電業界を担当するアナリストの分析では、

「16年9月の中間決算を見ると、売上高4兆3537億円、営業利益2328億円。前年同期比で減収減益にはなりましたが、これは円高の影響でしかない。本業で、大きな不安要素は見当たりません」

 足元は盤石のようだが、財界総理を務めるには永田町とのパイプが必要。中西会長にその人脈はあるのか。

「一番親しい政治家は、安倍総理ですよ」

 こう語るのは、政治部記者だ。

「民主党政権時代、財界の安倍さん応援団ができました。それが富士フイルムホールディングスの古森重隆会長などが立ち上げた『さくら会』。中西さんもメンバーの1人で、2人は急速に親密になったのです」

 安倍総理は昨年5月に訪英した際、キャメロン首相とともにロンドン郊外にある日立製作所の鉄道車両整備施設へ足を運んでいる。

「安倍総理は昨年9月、『未来投資会議』を設立しました。AIやロボット産業への投資促進を目指す重要会議で、民間議員6人。そのメンバーに榊原会長と一緒に中西さんも選ばれている。いかに、安倍総理に信頼されているかがわかります。彼が財界総理になれば、財界も万々歳でしょう」(同)

 東芝も、3年前は今日の窮地を予想していなかったはず。一寸先は闇だが、日立に限っては大丈夫?

週刊新潮 2017年2月2日号掲載

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