井伊美術館の怪しい館長が唱えている「井伊直虎は男説」
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」では、少女時代の直虎(おとわ)が、さっそく井伊家存続のために大活躍である。ところが、その直虎は「男」だったと発表したのが京都の美術館館長だ。井伊家ゆかりの人物ということもあって、朝日新聞を始めマスコミも飛びついたが、商売のための話題作りという声が――。
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京都市東山区の八坂神社からほど近い住宅街、その一角に古びた門が構えられている。「京都井伊美術館」という看板こそ出ているが、チケット売り場も見当たらない。
ふと、塀を見ると大書したプレートが貼ってある。
〈平成29年度NHK大河ドラマ 当館先祖(井伊直虎)に決定しました!〉
また、ホームページには、〈平成29年度大河ドラマ「おんな城主 井伊直虎」の主人公直虎とされる人物、徳川四天王の筆頭井伊直政の直系後裔が運営しています〉とも。
美術館の館長は井伊達夫(74)という人物である。その井伊氏が、新説を発表したのは、昨年12月のこと。偶然発見した古文書に「直虎はNHKがモデルにした女性ではなく、その女性のいとこ」と読める記述があったのだとか。100年近く後の「聞き書き」がソースだが、井伊家の人物が発表したとなればマスコミも無視できないだろう。
ところが、美術館を知る関係者によると、意外な素顔を教えてくれる。
「いや、井伊さんは後裔といっても血がつながっているわけじゃありません。昔は別の名前で、井伊家の分家の末裔と養子縁組して、“井伊”を名乗るようになった。美術館は12年前に始めたのですが、もともとの本職は甲冑をメインに扱う古美術商ですよ」
しかも、商売のことになると、とたんに評判は怪しくなる。
井伊氏の知人が言う。
「井伊さんは、どこからか甲冑を仕入れて来て随分高く売る。しかも、あそこのスタッフは、甲冑の手入れをやらされるのですが、それが修復のレベルじゃない。最初は鎧のほつれを直すところから始まって、だんだん井伊さんの“直し”のリクエストがエスカレートするのです」
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