漫画家・ゆるりまい氏が明かす「ミニマリスト」生活 きっかけは東日本大震災
断捨離どころか必要最低限がない!ミニマリストの極限スタイル(2)
次にご登場いただく紅一点は、漫画家、ゆるりまい氏だ。代表作の1つは、その名も『わたしのウチには、なんにもない。』シリーズ。現在4巻まで刊行されているが、第1巻の副題が興味深い。〈「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります〉とある。ミニマリストは「病人」なのか?
「私がモノを減らし始めたのは2000年頃で、当時は16歳でした」
と、ゆるり女史。
「付き合っていた彼氏にフラれて、彼からの手紙やプレゼント、日記など、思い出の品を全部、家のゴミ箱に捨てたんです。その時に、ものすごく落ち込みながらも、『捨てることは気持ちいいのかも?』と、その快感に気づきました」
彼女が本格的なミニマリストへの道を歩みだしたのは、やはり東日本大震災の影響が大きい。仙台の生家が全壊して、結果的に古い物の処分が進んだという。
「被災直後、祖母が、倒壊した家のタンスを新しく建てる家に入れたいと言いました。私は反発し、話し合いを重ねた。半年ほど経って、祖母が“潮時なのかもね”と納得してくれました。これには時間の経過が作用しています。荷物を半年間、トランクルームに預けており、それを出した時に了承してくれたのです。その半年間は、祖母にとってモノを供養するのに必要な時間だったのでしょう」
翌年、新居の再建を果たしてからは、物が加速度的に減っていったそうだ。
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