トランプを支持する「意識の高い層」 偏る日本メディアの報道

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ハリウッドにも…

 しかし、こうした声は反トランプの「ハリウッドブランド」の前では目立たない。事実、トランプ支持の有名人は、「素晴らしい演説だった! ようやく国民のための大統領が誕生したことを嬉しく、誇りに思う」とツイートしたスティーブン・セガールや、「アメリカをビジネスのように動かしてみよう」と言うマイク・タイソン、そして「トランプ大統領の副大統領になりたい」と語るハルク・ホーガンといった、そりゃ父権的権威主義者のトランプ大統領を支持するだろう、といういかにも「マッチョ系」が散見される程度。福井県立大学の島田洋一教授(国際政治学)の説明によると、遡れば赤狩りの対象となったハリウッドは、

「『リベラル派のウエストコースト』と呼ばれていて、伝統的に民主党支持者が多数を占め、共和党支持と明言すると仕事をもらえないと言われるほどです」

 要はハリウッドにも、表立っては支持していると表明できない「隠れトランプ派」がいるわけだ。

「吠える」反トランプ、「控えめ」な親トランプ。当の大統領のキャラクターとは真反対の「支持構造」……。就任式直前の19日、安倍晋三総理は報道陣とのオフレコ懇談でこう呟いた。

「大統領選直後に会ったが、これからどうなるかは大統領になったトランプに会ってみないと判断できない」

 トップも、それに対する「反」「親」が複雑にせめぎ合う米国そのものも、トランプならぬオセロの如く、今後、白黒どちらに転ぶのかなかなか判然としない。

 米国のハードボイルド小説の大家、レイモンド・チャンドラーに倣(なら)えばこういうことになろう。

 ベットするにはまだ早すぎる─―。

週刊新潮 2017年2月2日号掲載

特集「『4年以内に弾劾』賭け屋オッズは2倍 反トランプの正体 親トランプの素顔」より

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