ピコ太郎で「国立劇場」をPR 歌舞伎公演にも異例の登場

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ピコ太郎でPRした「国立劇場」

 これは悪ノリというものではないのか。天下の国立劇場が、ピコ太郎の「PPAP」の替え歌を作り、動画を公開したのだ。三味線、笛、鼓の音色も雅(みやび)やかに、抑揚のついた声が心地よい。

「神事でお供えを載せる台を三方と呼び、それに漆を塗ったものが塗三方ですが、これらを歌詞に取り込んで、ペン、ヌリサンポー、サンポー、ペン、略してPNSPと替え歌にした。演奏後の画面では国立劇場が50周年を迎えたことも伝わります。世界をにらんだ完成度の高い作りです」(演劇記者)

 実は、初春歌舞伎公演の「通し狂言 しらぬい譚(ものがたり)」(1月27日まで)の四幕目第一場「錦天満宮鳥居前の場」に片岡亀蔵が謎の参詣人としてピコ太郎そっくりの衣装で歌い踊る場面がある。

 1月23日の公演では、亀蔵がその場面を演じ始めると、御本尊ピコ太郎が現れた。観客が驚いて沸くなか、「サンキュー国立劇場」と拍手に応え、気負うことなく至芸を披露した。

「一度限りの特別出演。礼儀正しいピコ太郎らしく、座長の尾上菊五郎に丁寧な挨拶をしていました」(同)

 国立劇場の歌舞伎公演で、歌舞伎俳優以外が舞台に立つのは、前例がないとか。

 昨年8月、動画サイトへの投稿で始まったピコ太郎旋風。3月6日には日本武道館でライブも行う。

「昨年12月、アルバム発売のイベントでは約1万人を集めた。海外との契約も進み、パリの凱旋門の前でも披露した。日本人は飽きっぽいですが、もうしばらくは人気に便乗できるはず」(同)

 あまりの急展開にピコ太郎本人は「6月には死ぬんじゃないか」と冗談めかして言っている。“国立”と“ピコ”、どうやら二方よし!

週刊新潮 2017年2月2日号掲載

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