韓国で異常増殖の慰安婦像、世界に広がる仕組み
やはり今年もこの「隣人」は、日本にとって最大の悩みの種である。日韓合意も何のその、韓国では慰安婦像が「異常増殖」中。海を渡って世界中へと「輸出」されていく年になるという。
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この年末、多くの日本人は、改めてかの国の無法ぶりを実感したことであろう。
「日韓合意」から1年経った昨年12月28日、釜山の日本総領事館前に“市民団体”が新たな慰安婦像を設置。区はこれを一度は撤去したものの、抗議殺到で一転、容認してしまったのである。
撤去に努力するはずの、ソウル・日本大使館前に設置されている慰安婦像
「合意で日本は、首相のおわびと共に、元慰安婦への10億円の支援金を出すことを決めました。逆に韓国側は、ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦像の撤去に努力すること、そして、国際社会で非難や批判を控えることを約束したのです」(政治部デスク)
これに基づいて、昨年8月、日本政府は韓国側に10億円を振り込んだ。しかし、ソウルの像撤去は進まないばかりか、新たな像まで設置されたのだから、日本は「振り込め詐欺」にあったようなもの。韓国の本音は和解より対立であることがはっきりしたのである。
■1年で6体設置
「今年、像は増えることはあっても、減ることはない」
と言うのは、「コリア・レポート」編集長の辺真一氏。
「友人の国政介入問題によって、朴槿恵政権はレームダック状態。彼女のやったことは全て否定されています。日韓合意も同じで、今の韓国では、仮にそれを守るべきだという主張を持っていたとしても、とても口に出すことは出来ない雰囲気になってしまっています」
年末に行われた韓国国内の調査でも、6割が合意を破棄すべきだと答えている。現在、憲法裁判所は、大統領への弾劾訴追案を審議中。
「3〜4月には判決が出ますが、弾劾が覆る可能性は低い。すると、大統領選が行われます。現在、支持率トップの最大野党前代表・文在寅(ムンジェイン)は、反朴槿恵の急先鋒ですから、彼がトップになれば、当然、合意は見直しか破棄。対抗馬の潘基文(パンギムン)・前国連事務総長がなったとしても、日本に弱腰の姿勢を取れば、格好の攻撃材料になりますから、像設置を黙認せざるをえない」(同)
かくして設置はフリーパスとなる可能性が高いのだ。
「既に韓国では、像が37カ所に設置されています」
とは在韓ジャーナリスト。
「合意後の昨年1年ですら6体が設置されましたから、今年はこれが加速するはずで、実際、今春には大邱(テグ)や麗水(ヨス)に建てられる予定。また、さる高校生サークルが『全国100カ所の高校に100個のミニ少女像を作る』プロジェクトを進めています。海外でも、既にアメリカや中国、オーストラリアなどで像が出来ていて、昨年12月にはワシントンで像の除幕式が行われました」
現在、これは設置先を探して現地で保管中だが、『悪韓論』の著者・室谷克実氏は言う。
「ホワイトハウスなど、国際的に話題になる場所の多いワシントンにこれを設置し、シンボルとしたいのでしょう。同じ意味で、ニューヨークなども狙われます。今の韓国は、像を建てること自体が目的化してしまっている。像の増殖はとめどなく続いていくはず」
まさに日本の喉元に突き刺さった棘・韓国。この国を信じて合意を結んでしまった“甘さ”が、くれぐれも悔やまれる。
特集「日本が頭を抱える4つの最悪シナリオ2017」より