「ハン・ソロ」との不倫をバラした「レイア姫」 キャリー・フィッシャー急逝

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〈愛してるわ!〉。スター・ウォーズ「帝国の逆襲」のラストで、レイア姫はこう叫ぶ。対してハン・ソロは応えるのだ。〈知ってたさ〉。このシーンが、私生活でも事実だったことを誰が想像しただろうか。女優のキャリー・フィッシャーさん(60)がハリソン・フォード(74)との不倫を明かしたのは、亡くなる1カ月前のことである。

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ルーク(マーク・ハミル)もびっくり
(映画「スターウォーズ エピソード4 新たなる希望」(1977年アメリカ公開)より)

 フィッシャーさんが心臓発作で急逝したのは、昨年12月27日のこと。その前年、32年ぶりにレイア姫を演じた彼女は、次作の「エピソード8」にも出演しており、撮影を終えたところだった。

 が、話題をさらったのは、作品に復帰したことだけではない。彼女が11月に出した自伝『The Princess Diarist』で、ハン・ソロ役のハリソン・フォードとの恋愛を赤裸々に綴っていたことに、世間は驚いたのである。何しろ、彼女はフォードとの関係を聞かれてもずっと否定してきたのだ。

 スター・ウォーズの第1作がイギリスで撮られたのは1976年。当時、19歳の彼女は歌手と女優という両親を持つサラブレッドで、フォードは14歳年上の売れない役者。だが、フィッシャーさんは一目で好きになる。

〈HF(ハリソン・フォード)は私を緊張させた。彼といると舌がもつれ、おっちょこちょいになった〉

 自伝にはこう書いているが、無理もない。彼女は演劇学校を出たばかりで男性経験は1人だけ。一方、フォードには妻子がいた。運命の日はその年の5月、監督のジョージ・ルーカスの誕生パーティーだった。アルコールが入り、ちょっかいを出そうとしたスタッフから守るように、フォードは彼女をタクシーに乗せる。

〈途中だから君のアパートで降ろしてあげるよ〉

 車の中での初キス。そして自然の流れのようにフィッシャーさんの部屋に。

■床下にあった日記

 フォードと結ばれた日の喜びを、彼女はこう振り返っている。

〈HFは眠りについた。私も眠ろうとした。(中略)暗闇で私はHFと呼吸を合わせた。彼はどんな夢を見ているのだろうと思い、彼よりも早く目が覚めることを願った〉

 だが、2人の関係は3カ月で終わる。フィッシャーさんをインタビューした英ガーディアン紙は、

〈彼女はHFに取りつかれたように彼を愛し、彼は彼女と寝ることには喜びを感じたものの、彼女とは同じ気持ちではなかった〉(11月20日)

 それにしても、なぜ40年も経って不倫を告白したのだろうか。直接のきっかけは、家の改築中に床下から日記が出て来たことだと彼女は明かす。

〈私にとって凄い考古学的発見のように思えたんです〉〈彼に本を書いていることは伝えました。気に入らない部分があったら削除するとも。(中略)実際に送ったけど彼からは何の返事もありませんでした〉(同)

 フィッシャーさんに数回インタビューした映画ライターの成田陽子さんが言う。

「洞察力があって苦労した人だなと思います。そんな彼女が現役スターのハリソン・フォードとの関係をシレッと書いてしまうあたりが面白い。もう、何を言われても構わないという生き方を感じますね」

 純白の衣に身を包むレイア姫が抱えた「暗黒面」。それを隠したまま人生を終わるわけにはいかないと思い至ったのだろうか。

ワイド特集「年を跨いだ無理難題」より

週刊新潮 2017年1月12日号掲載

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