元ロッテ監督バレンタイン、駐日アメリカ大使に? 米報道

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 今度は中日? ロッテの監督を務めたボビー・バレンタイン氏(66)が再び日本球界に復帰か? いやいや、「中日」ではなく「駐日」。つまりトランプ新政権の駐日アメリカ大使に就任するかも、というのである。本当なの?

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バレンタイン氏を起用するのか…

 きっかけは、米ボストンの「WEEIラジオ」のウェブサイトだった。そこに12月9日付けで、

〈複数の関係者によると、ボビー・バレンタイン氏は次期日本大使の最終候補に名前が挙がっている。(中略)トランプ移行チームとこの件について話し合いをしている〉

 と書かれたのである。

 たしかにバレンタイン氏の“実力”については、

「1995年、千葉ロッテの監督に就任するとすぐに、Aクラス入りは85年が最後だったチームが、いきなり2位に躍進。2004年に監督に返り咲いたときも、最下位の常連だったのが勝率5割を達成し、翌05年には31年ぶりの日本一に導き、さらにはアジアチャンピオンにまで上り詰めた。日替わりオーダーによる画期的な選手起用は“ボビーマジック”と呼ばれました」

 と、運動部記者も太鼓判を押す。それでも、野球がわかれば政治もわかる、なんて話は寡聞にして知らないわけだが、さる球界関係者はこんな話をする。

「実は16年10月、ボビーは来日して、震災復興チャリティで青森県の大湊を訪れました。その際、彼に会った人がアメリカ大統領選の話をふると、政権移行チームの執行メンバーで親交があるアンソニー・スカラムッチ氏の名前を出し、“トランプが大統領になったらいいな”と話したそうです。その後、その人が、“駐日大使に名前が挙がっていますが”とメールを送ると、返事は“まだ決まっていない”。少なくとも、リストに名前が載っているということでしょう」

■政治や経済の幅広い知識

 先の記者は、

「突飛な話ではない」

 と、こう語る。

「通算7年も日本にいたので、日本語がある程度話せます。そもそも敬虔なクリスチャンなので、宗教保守派が多い共和党の政治家とは相性がいいのです」

 そこを掘り下げてくれるのは、ヒューストン・アストロズ環太平洋担当部長で、かつてバレンタイン氏の通訳を務めた大滋彌(おおじみ)功氏で、

「ボビーはテキサス・レンジャーズの監督を務めたよしみで、チームのオーナーだったブッシュ前大統領とも親交がありました」

 と言って、続ける。

「それにスカラムッチ氏はウォール街の大物実業家で、ボビーが一時監督だったメッツの大ファン。来日してはロッテ監督時代のボビーと食事をしていました。彼はトランプに対して、ネガティブなことは一切言っていないし、駐日大使を打診されれば、引き受けると思いますよ。政治の経験はないがビジネスマンでもあるので、政治や経済の幅広い知識をもっているはず」

 それって、トランプと似ていないか。

「ロッテ時代、球団経営陣と対立し、本音と建前がある日本社会についても、よく理解しています」(同)

 現在、セイクリッド・ハート大学体育学部長のボビー氏は、なんと答えるか。

「現時点でお答えすることはありません」

 という返答で、大学の広報責任者デボラ・ノアク氏を通じて「話題に上ることだけでも光栄です」などと、さらにコメントを補足してきた。いずれにせよ否定はしていない。トランプの奇策“ボビーマジック”は切られるや否や。

ワイド特集「夜明けの鶏(チキン)レース」より

週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号掲載

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