「蓮舫」代表に楯突く幹部、獅子身中の虫? 民進党の救世主?

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「群鶏の一鶴」の故事にもあるように、かつての蓮舫氏は、将来の民進党(民主党)を背負って立つホープに見えたものだ。が、トップになったとたん尾羽打ち枯らしてしまうのも、この党である。二重国籍疑惑でミソをつけ、今度は廃案を目指したはずのカジノ解禁法案(IR法案)が身内の“裏切り”でまさかの可決。仕掛けたのは、お膝元の参院・国対委員長である。

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榛葉氏にしてやられた

 12月14日、民進党の参院議員総会は、異様な空気に包まれていた。

「どうなっているんだ!」

「蓮舫代表は参院民進党をコントロールできてない」

 それもそのはず、衆院ではカジノ解禁法案の採決をボイコットしたものの、この日の参院内閣委員会では修正案を衆院に差し戻す条件で採決に参加。反対のポーズを取りながらも可決を許してしまったのだ。

 総会に現れた蓮舫代表は口を震わせて、

「最後の最後まで悩みながらこうなりました……」

 と弁解するしかなかった。どんでん返しが自分の所属する参院で起きたのだから面目丸つぶれである。

 政治部のデスクが言う。

「民進党の執行部が目指していたのは、内閣不信任案などを連発して会期延長に持ち込み、廃案にするというものでした。ところが蓋を開けたら採決。徹底抗戦を決めていた議員らから批判の声があがったのも無理はない。共闘していた共産党や社民党も怒り心頭ですよ」

 その、蓮舫代表に冷水を浴びせた張本人が、身内の参院国対委員長・榛葉賀津也(しんばかづや)氏だ。

「榛葉氏によると、ギャンブル依存症防止を明示する一文を条文に盛り込む。そして法律施行から5年以内に見直しするという“大きな譲歩”を自民党から勝ち取ったから応じたと言う。しかし、衆院に戻しても法案成立は濃厚です」(同)

 この日、記者に取り囲まれた榛葉氏は、

〈現実的な選択をしてゆくのが国対委員長だ〉

 と説明したが、果たしてそれだけなのか。

「榛葉さんはもともと自民党に近い考えの人で、若い頃は自民党の青年部に所属していたのです。一方、蓮舫氏とは因縁がある。民主党政権時代に彼女が事業仕分けを担当した際、防衛副大臣の榛葉氏が徹底抗戦して在日米軍に対する『思いやり予算』を削らせなかった」(民進党の幹部)

■良かれと思って

 元民主党の事務局長で、政治アナリストの伊藤惇夫氏も言うのだ。

「民主党時代から参院は独立王国というか、執行部の言うことを聞かず自民党と気脈を通じている議員がいたものです。榛葉氏もその伝統を受け継いでいるのでしょう」

 党運営を野田幹事長に丸投げしていると言われる蓮舫氏だが、それにしても足元の参院で国対委員長の造反に気がつかなかったのは、まさに「神ってる」としか言いようがない。

 そこで当の榛葉氏に聞いてみると、

「蓮舫代表を始め、民進党のために良かれと思ってやったことです。野田幹事長からは任されているのでいちいち相談しません」

 とまれ、プラカードを振り回し、採決を妨害してばかりだった民進党、久しぶりの「大人の対応」ではあったけど。

ワイド特集「夜明けの鶏(チキン)レース」より

週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号掲載

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