マンション投資より手軽な「コインランドリー投資」 月に100万円の売上も

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 大抵、銭湯の隣に設置されているコインランドリーは、貧乏学生ご用達のイメージが強かった。ただ、最近、単身者に加えて、共働き世帯が増えたためにニーズが高まり、業界は右肩上がりの成長を続けているという。サイドビジネスとして、マンション投資よりもお手軽なうえ、かなりの利回りを上げた人もいるのだ。

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コインランドリーの店舗は増え続けている

 コインランドリーの店舗数は、1990年代後半に1万店だったものが、現在は1万6000店以上に増えている。

 コインランドリー投資を斡旋し、フランチャイズ展開をする、「マンマチャオ」の三原淳社長が言う。

「うちでは、月に約10店が新規出店していますが、そのうちの6割はサラリーマンが副業で始めています。人気の理由は、第一に利益率の高さが挙げられる。ランニングコストは家賃、水道代と光熱費くらいで、売上に占める割合は3割程度です。人件費も、1日1時間、掃除と集金を代行するパートを雇えばいいだけなので、月にかかるのは3万円前後。洗濯機、乾燥機の寿命も20年と長いですし、生活に密着した業態なので、流行り廃りもありません」

 出店する費用はどれくらいかかるのか。

「うちの会員になると、最初に物件を紹介させていただきます。コインランドリーに適しているのは、やはりコンビニやスーパーなどの隣接地。買い物ついでに利用できるからです。中小店舗の場合、初期投資として、機械代、内装工事代などで約1500万円、大型店舗では約2500万円がかかります。そして、開業後は、コイン詰まりなどのトラブルについて、うちが24時間体制で対応し、オーナーさんを煩わせることもありません」(同)

■月に100万円

 では、実際にコインランドリー経営を始めた人の声を聞いてみよう。

 外資系企業に勤める、40代のサラリーマンの話。

「マンマチャオに求めた物件の条件は、都内で車が停めやすく、生活道路沿いで目につき、近くにスーパーなどの集客施設があるということでした。50くらいの物件を見て、ようやく納得のできる場所をみつけられました」

 3年半前に開業したのは、15坪ほどの中型店舗。家賃は10万5000円。そこに、洗濯機4台と乾燥機7台を設置し、約1500万円を投じた。ローンは組まず、キャッシュで支払ったという。

「初めの1カ月の売上は約30万円で、家賃、水道光熱費などを差し引くと、収支はプラマイゼロ。半年ほどで、売上は2倍に増え、現在は100万円ほどになっています。予想以上に利益が出たので、翌年には2店舗目をオープンさせました。1店舗目の地域の人口密度が約2万5000人だったのに対し、2店舗目のそれは約5万人。なので、売上も1店舗目をすでに上回っています」(同)

 コインランドリー2店舗で、約40%の利回りを実現しているという。

「コインランドリー投資は、自分で事業所を経営するわけですから、それも刺激になっていい。しかも、店舗に顔を出すのは、2カ月に1度くらいなので、時間も取られなくて済みます」(同)

 マンション投資と違って、失敗した場合、簡単に転売できないなどのリスクはあるものの、なかなか効率的な投資法なのである。

特集「株も為替もつまらない『拗ね者』のための奇抜な投資術」より

週刊新潮 2016年12月15日号掲載

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