最初の事件で共に逮捕、ASKA「元愛人」の肉声 

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「はい、もしもし?」

 受話器の向こうから耳に飛び込んできたのは、思いのほか明るく、屈託のない女性の声だった。

 この声の主は、一昨年の「最初の事件」でASKA(58)と共に逮捕された栩内(とちない)香澄美氏(39)である――。

 ご承知の通り、執行猶予中の身だったASKAは11月28日、またもや覚せい剤取締法違反の疑いでお縄となった。彼は逮捕直前までブログへの投稿を続け、

〈陽性は、ありません。100%ありません〉

 と弁明したものの、科学捜査研究所での鑑定結果は「陽性」。とはいえ、身柄を拘束されてからもASKAは否認を貫き、また、物証が乏しいこともあって捜査は難航を極めているという。

反省も2年半が限界だった

■「起訴は揺るがない」

 捜査関係者が明かす。

「通常の薬物捜査では、“標的”の行動確認を秘密裏に進め、入手ルートや使用する場所、共犯者の存在などを洗い出します。ただ、今回の一件は事前の情報がなく、ASKA本人が25日に110番通報してきたことで発覚した。しかも、彼が任意の採尿にも素直に応じたため、捜査員は当初、“薬物の使用は考えづらい”と判断して自宅の捜索を行わなかった。逮捕までの3日間のうちに証拠を隠滅された可能性もある」

 逮捕翌日の自宅へのガサ入れでも、覚醒剤や「あぶり」に用いるガラスパイプは押収されず仕舞い。捜査員は、彼が定宿としていた目黒区内の高級ホテルの一室にも踏み込んだが、発見できたのはパソコンやUSBくらいのものだった。

 それでも、「起訴は揺るがない」と明言するのは、元近畿厚生局麻薬取締部長の西山孟夫氏である。

「たとえ他に物証がなくとも、尿検査で覚醒剤反応が検出されれば不起訴になることはまずありません。彼は“経験者”なので、薬物と知らずに摂取したという言い逃れも通用しない。量や頻度によって反応に強弱はありますが、久々に使用したとしても1週間以内なら十分に検出できます」

 だが、起訴の可・不可はともかく、容疑者が否認を続ければ事件の全容解明が難しくなるのは事実。前回と同様に、「誰か」と一緒に使用していたのではないか、との疑いも否定できない。

■「関係しておりませんので!」

 そこに浮上したのが、〈ASKAの別宅マンションから“愛人”の所持品が押収された〉という報道だった。

 この愛人とは、言うまでもなくASKAが初公判で「大事な人」と語った栩内女史を指している。

 昨年7月に控訴を棄却され、二審でも執行猶予つきの有罪となった彼女の近況は一切伝えられていない。

 果たして、ASKAとの関係は未だに続いていたのだろうか。

 冒頭の場面に戻ろう。

 電話に出た彼女とのやり取りは以下の通りだ。

――栩内さん本人で間違いないか。

「あっ、はい。そうです」

――ASKA容疑者との関係について話を伺いたい。

「えっと、申し訳ございませんが……。すみません。やはり、お受けするつもりはございません」

――あなたは今回のASKA容疑者の事件に関与していないのか。

「あの、前回も特に関係しておりませんので!」

 彼女は語気を強め、そう言い放った。

「そのように記事に書いて頂けますか。それでは失礼致します!」

 一方的に通話が途切れると、それ以降、彼女が電話に出ることはなかった。

 彼女は公判でも「気づかないうちに、ASKAに覚醒剤を使われた」と無罪を主張していた。つまり、自分は事件に巻き込まれただけであり、男と女の関係も清算済みというワケだ。

 実際、今回の取材でも彼女は躊躇なくASKAを切って捨てた――。

特集「逮捕に元愛人『栩内女史』の発した一言! 実は自宅の売却先を探していた『ASKA』家庭崩壊の準備作業」より

週刊新潮 2016年12月15日号掲載

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