シャブは止められないのか!? 「組長の娘」が証言する常用者の実態
【覚せい剤】最後は“穴”から摂取するしかない――
悪いとわかっていながら、薬物を再び使用する人が後を絶たないのはなぜだろうか。
気鋭の犯罪社会学者、廣末登氏の近著『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』はシャブ常習者の悲哀を生々しく綴っている。同書は、中川茂代さん(仮名)という関西のヤクザの家に育った女性の人生を聞き取りしたドキュメント。
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18歳で覚せい剤
主人公の中川さんは、十代で覚せい剤を使用する。
「段々と深みにはまっていったんは18歳くらいの時期からやな。何の深みかいうたら、薬物やねん。シャブ打ったり(この頃は、まだまだタマポンやで。ツネポンちゃうから)、大麻やったりしよってん。まあ、周りがやりよるから、初めは軽い気持ちからや。せやかて、一度味覚えたら、猫にマタタビやったな。抜けられやせん」
「ツネポン」とは覚せい剤の常習者を指し、「タマポン」は覚せい剤をたまに用いる者のことを指すアウトロー用語だそうだ。
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