トランプを支えるタカ派の面々 “北朝鮮に拠点爆撃”主張者も
オバマ政権は軍事力の行使を嫌い、財政赤字を抑えるため軍事費を減らした。それに対し、トランプ政権は「強いアメリカ」を目指すという。産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏は、
「政権移行チームには、防衛、対テロ、インテリジェンスの専門家が集まっています。ただ、安全保障分野の専門家で、知日派として知られるマイケル・グリーンやリチャード・アーミテージは政権入りしない可能性が高い。とはいえ、アジアの専門家は他にもいます。では、どんな人の名前が挙がっているかというと、実はけっこうタカ派が多いんです」
トランプ政権はこの国にどのような影響を与えるのか
代表的なのは、ジェームズ・ウルジーという学者兼官僚。
「彼は元々、民主党で、クリントン政権でCIA長官も務めた。北朝鮮の核問題について長年、『拠点爆撃しかない』と主張しています。トランプ陣営で選対本部長を務めたスティーヴ・バノンは政権の上級顧問に就任します。海軍士官出身で、リベラル派などからは『アメリカで最も危険な政治仕掛人』と呼ばれています。その他、政権入りが取り沙汰されているのは、ジェフ・セッションズ上院議員、ニュート・ギングリッチ元下院議長、ネオコンの代表格として知られるジョン・ボルトン元国連大使などです」(同)
共和党主流派がトランプ氏に眉をひそめる中、早くから一貫して支持を打ち出してきたメンバーだ。
「トランプは外交や安全保障について、ほとんど何も知らない。実務経験が豊富で、能力も高い彼らを必ず重用するとみています」(同)
米国史上、最もタカ派の政権が誕生するのだ。
特集「差別と憎悪の渦から生まれた『トランプ大統領』25の疑問」より