トランプが廃止を訴える「オバマケア」、なぜ支持されず?

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 ホワイトハウスを去り行くオバマ大統領は、レガシー(政治的遺産)として、“オバマケア”を後世に残すことにこだわった。

 しかし、トランプ次期大統領によって、あっけなく撤廃される見込み。

オバマ大統領

 なぜ、“オバマケア”は支持されなかったのか。

 在米ジャーナリストによれば、

「国民皆保険制度のないアメリカでは、約5000万人、国民の6人に1人が保険未加入でした。“医療難民”をなくすため、オバマ大統領の肝煎りで始まった政策が“オバマケア”。全国民に加入を義務づけ、もし、違反すると、現在、年収の2・5%にあたる罰金を支払わなければなりません。ただ、保険料の支払いが難しい低所得者には、所得額に応じて補助金がもらえる仕組みになっています」

 しかしながら、当然、補助金給付は増税を招き、納税者は不満を募らせた。

「そのうえ、保険料そのものも、大幅に値上がりしました。まず、妊婦検診や小児医療など特定の年齢層に限られる医療や薬物治療カウンセリングなど特殊なサービスを受けるための保険料も支払わなければならなくなった。さらに、健康状態の良くない低所得者の保険加入が増えた結果、保険金の支払いが急激に膨らんだからです」

 トランプ氏を大統領にと1票を投じたのは、オバマケアの導入前から任意で医療保険に加入し、税金もまともに納めていた白人中間層が多かったという。

 オバマ政権下で、割を食った不満を爆発させた格好なのだ。

特集「差別と憎悪の渦から生まれた『トランプ大統領』25の疑問」より

週刊新潮 2016年11月24日号掲載

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