韓国大統領府と経済事件を起こす「問題企業」はソックリ!? 「危ない会社の7条件」を見てみると……

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 韓国政治の混乱は増すばかりで、収拾のめどは全く立っていない。
 数十万人の国民がデモをする様を見て、「あれこそが民主主義の姿だ。日本では考えられない」などと奇妙な感心をしている日本人もいるようだが、それは本末転倒というもの。
 国民があそこまでの抗議デモをせざるをえないほどの問題が、大統領府に存在していると考えるほうが自然だろう。それでもなお、日本人の「政治的無気力」を嘆く向きは、いっそのこと国外への脱出を図ったほうが精神衛生上いいかもしれない。韓国以外でも、激烈な反政府デモが頻発している国は珍しくない。

 政府の比較はさておくとして、興味深いのは、伝えられる韓国の政治と日本で経済事件を起こした企業との類似点である。
経済ジャーナリストの田中周紀氏は、新著『会社はいつ道を踏み外すのか 経済事件10の深層』の中で、「事件(問題)を起こしやすい会社」の特徴をチェックリストの形で示している。以下の7ポイントにあてはまることが多い会社は要注意だという。

①上司にゴマをする能力しかない縁故(コネ)入社の社員ばかりが出世する

②創業者一族が大株主としていつまでも経営権を手放そうとしない

③創業者一族以外の特定の人物が長期間トップに君臨し、ポストを譲らない

④創業者または「中興の祖」と呼ばれる人物がいつまでも影響力を持ち続ける

⑤トップが周囲の助言に聞く耳を持たず、自分の過去の成功体験ばかり自慢する

⑥特定の学閥、派閥だけが優遇されている

⑦正規雇用の社員と非正規雇用の社員の待遇格差が大きい

 朴大統領をめぐる事件の報道で耳にしたエピソードを想起させる項目がいくつも見られるのではないだろうか。
 もっとも、「これってウチの会社のことでは……」と思って背筋の凍る思いをした方もいらっしゃるかもしれない。同書で田中氏は、東芝、オリンパス、第一勧銀等、「道を踏み外した」会社の事件の裏話も交えながら、組織が不正に手を染めるメカニズムについて考察を行なっている。たとえば東芝では「上司に逆らえない風土」が不正経理問題の根源にあったと考えられるので、上のリストでは⑤に該当すると言える。
 当然のことながら、道を踏み外す者の地位が高ければ高いほど、組織に与える影響は甚大である。

デイリー新潮編集部

2016年11月28日掲載

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