投開票直前での「ヒラリー」再捜査 FBI陰謀の可能性は

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ヒラリー・クリントン

 FBIのコミー長官。その名は将来、世界情勢を大きく変えるきっかけを作った人物として語り継がれるかもしれない。

「ヒラリー氏は国務長官時代、機密情報に私的メールを使い、FBIの捜査を受けました。7月5日、コミー長官は訴追を見送る方針を発表したものの、投開票日直前の10月28日に捜査再開となったので、陰謀説が囁かれるのもわからないではありません」

 そう語る上智大学の前嶋和弘教授は、「陰謀の可能性は低い」と見ている。

「このタイミングでの公表にはヒラリー陣営から不満が出ましたが、メールが出てきてしまった以上、選挙後に公表すれば、トランプ陣営から何を言われるかわからない。公表が投開票前でも後でも、FBIが決めた大統領だと言われかねません。私の想像ですが、大幅リードが続いていたヒラリー氏だから、公表しても大勢に影響なしと思ったのではないでしょうか」

 だが、メールが見つかった経緯が悪かった。

「メールはヒラリーの側近の元夫、アンソニー・ウィーナー元下院議員のパソコンから見つかった。というのもFBIは彼が9月、15歳の少女に自分の下半身の写真をメールで送りつけた問題を捜査していました。彼は2011年にも、女性に自分の局部の写真を送りつけた正真正銘の変態で、大手メディアがウィーナーの顔写真を並べて報じたので、ヒラリーのイメージは著しく低下したのです」(福井県立大学の島田洋一教授(国際政治学))

 変態の妻を側近にしていたヒラリーが悪く、結果、「歴史を変えてしまった」コミー長官はお気の毒、か。

特集「差別と憎悪の渦から生まれた『トランプ大統領』25の疑問」より

週刊新潮 2016年11月24日号掲載

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