「このまま楽にしてあげたい……」犯罪とは無縁だった普通の人たちが介護殺人を犯すまで

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「介護殺人が各地で起きていますよね。実際の事件を追いかけて、在宅介護の問題を考える企画はできませんか」――シリーズ企画を考えていた毎日新聞大阪社会部取材班の一人から、デスクに提案があった。「行ける」と判断したデスクは、一つだけ条件を出した。「介護殺人の加害者を取材すること」。彼らの告白には多くの人が耳を傾けるだろうし、介護社会の難題を乗り越えるヒントが含まれているに違いない……。

 しかし、家族による在宅での介護苦、とはいえ殺人事件で有罪を受けた人物が取材に応じるのか、そもそも多くは事件現場となった自宅にそのまま住み続けているのか。...

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