朴槿恵の“親友”崔順実、極貧から女帝への「出世」物語
「スンデレラはプラダを履く」――。目下、韓国では、崔順実(チェスンシル)を捩(もじ)ったこんな言葉が流行(はや)っている。検察の入口でマスコミにもみくちゃにされ、脱げた靴が高級ブランドのプラダのものであったことから、一気にその金満ぶりが批判の的となった崔氏。確かに彼女の生活は、妃となったシンデレラもびっくりの贅沢さなのだった。
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一躍、「時の靴」となった崔氏の靴は一足70万ウォン(約6万3000円)で、低迷経済に喘(あえ)ぐ韓国国民の妬(ねた)みに火がついた格好だが、
「崔の豪奢な暮らしは次々と明らかになっていて、例えば彼女が使っていたソウル市内のビルの一室からは22足のプラダの靴が見つかっています」
と解説するのは、ある韓国ウォッチャーだ。
一躍「時の靴」となった崔氏の靴
「他にも、1000万ウォン(約90万円)を超えるエルメスのバッグを使っていたり、娘とふたりの1カ月の生活費が1億ウォン(約900万円)と、とにかく派手な生活をしていた。なにしろ彼女は、韓国国内に200億ウォン(約18億円)以上の不動産を所有しているとされ、いつでも呼び出せるホストを5人囲っていたなんて話も出てきています。ちなみに、彼女と内縁関係にある男性も元ホストです」
豪遊の原資は崔氏のふたつの財団の資金と見られているが、彼女のこうした「ブルジョワ的」嗜好は、海外のレストランで食事をすれば1万円近くのチップを渡すといった「気前の良さ」として現れる一方、傲慢さとしても顔を覗かせた。
■スンデレラ「出世」物語
「崔はデンマークに行った際、レストランでキムチを出せとごねたり、娘が高校生だった時に『教育部の長官に言って交代させるぞ』と女性教師を脅していた。また、学歴詐称疑惑も持ち上がっています。彼女は米国の大学で幼児教育学の博士号を取得したことになっていますが、その大学にはそもそも幼児教育学自体が存在していないと韓国メディアは追及しています」(在韓ジャーナリスト)
このような傍若無人な振る舞いの象徴が国政介入というわけだ。
こうして一大権力者に「出世」した崔氏だが、そもそも彼女の父親は霊を降臨させられると自称していた一新興宗教家に過ぎず、
「1975年当時、彼の一家は電話もないひとつの部屋で暮らしていたと、親族が証言しています」(同)
つまり、崔氏は約40年で極貧から「スンデレラ」に登り詰めたことになる
1977年、当時の韓国大統領で父親の朴正煕(右)と写真に納まる朴槿恵大統領(左)
「75年、それは崔の父親が朴正煕(パクチョンヒ)大統領(当時)を支えるための傭兵組織とでも言うべき『救国十字軍』を創設した年です。これ以降、彼らの金回りは良くなっていった。崔が成り金になっていく過程は、朴親子との繋がりを深めていく日々と重なります。要は、朴親子の『後ろ盾』を得たことで、彼女は成りあがっていったんです」(同)
現在、韓国ではこんな言葉も流行っているという。
「プラダを履く悪魔」
崔氏はまさしく、大統領一家に「寄生」した悪魔だったと言えそうだ。
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