女子刑務所の「同性愛」「イジメ」「グルメ」事情 ――「組長の娘」の告白
「ワシの女になれや」
(3)同性愛
「大学では、男役をトイチ、女役をハイチ言うんや。こいつらは、トイレの中でキスしたり、布団(ふとん)の中で『ドウキン』いうて、乳繰り合うわけや。
もちろん、うちも誘われたわ。
オババから
『おい、班長! ワシの女になれや』
言われたりな。
もちろん、
『うち、そんなんやないんやで』
言うて、彼女か彼か知らんけど、恋心傷付けんように、丁重にお断りしたがな。
そらな、男でも女でも、動物やからな、性欲はある。
トイレのブラシが恋人やった女もおった」
中川さんのしゃべりが軽妙なため、同書で描かれる「大学」生活は、思ったよりも深刻なものではない。しかし、もちろん、実際には決して楽しいものでもないし、他人に勧められるものではない。中川さんも、「入学」を深く反省している。
そして、こうした経験をもとに、彼女は現在、カタギとして働きながら、罪を犯した人の更生のためにも尽力をしているのだ。
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