日本シリーズ不完全燃焼の「黒田博樹」「大谷翔平」 2人の今後は

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 北海道、広島はもちろん、関東地区ですら20%前後の高視聴率を獲得した日本シリーズ。主役と目されていたのは、直前に引退表明した“男気”こと広島の黒田博樹(41)と日本ハムの“二刀流”大谷翔平(22)だった。

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北海道日本ハムファイターズの本拠地・札幌ドーム

 ところが、蓋を開けると、初戦に先発した大谷は2発の本塁打を浴びて敗戦投手に。第3戦の先発を任された黒田も6回途中で無念の負傷降板。そして、そんな不完全燃焼の2人が最終第7戦で投げ合うのではと期待されたものの、あいにく第6戦で日ハムが日本一を決めてしまった。当人たちのみならず、ファンにとってもモヤモヤが残るシリーズだったのではなかろうか。

 まあ、後ろ向きの話はこのくらいにして、前を見るとしよう。そう、2人はこれから何処に向かうのか。

 まずは黒田。

 すぐに思い浮かぶ進路としては、解説者、あるいはコーチなど指導者だが、

「どちらもありえません」

 と大手紙デスクが断じる。

「なにしろ生涯100億円以上稼いでいる男ですからね。わざわざメディアに雇われるいわれがないですよ。仮に指導者になるにしても、黒田クラスならいきなり監督です。広島は当分、緒方監督が続くでしょうしね」

 とりあえず、家族が暮らすロサンゼルスに戻って、しばらくは悠々自適を謳歌することになりそうだ。

「彼が日本球界、広島で仕事をするとしたら、2人のお嬢さんが大学に入る段階、つまり7、8年後では」

 とは、メジャーリーグ研究家の友成那智氏。

「それまでは、ヤンキースで先輩だった松井秀喜みたいに臨時コーチくらいはやるかもしれません。ヤンキースはOBを大事にしますし、特に黒田に対しては尊敬の念も持っていますから」

■複数年か単年か

 さて、大谷はいかなる道を歩むのだろうか。

「今年の推定年俸は2億円で、今季の活躍に鑑みれば、来季の年俸は4億円前後になりそう。来年以降も活躍を続ければ、6億、8億とどんどん上がることになり、もはや球団の手に負えなくなる。そこで今オフの更改では複数年契約を提示する可能性があります」

 と先のデスクが推測する。

「ただ、彼が海外FAを取得する2021年オフにかからないようにしないと、ポスティングの入札金が貰えない。なので、3年12億円あたりを提示するのでは」

 一方で、シリーズ直後から、“来季メジャーへ”という憶測報道が流布し始めた。スポーツ紙記者の話。

「これは、入団当初から囁かれている密約説が火種になっています。高校卒業後にメジャー行きを宣言していた大谷に対して、日ハムが“大学進学するつもりで4年間日本でやってみては”と口説いたというのです」

 4年といえば、今オフがまさに“日ハム大学卒業”にあたるわけだが、

「大谷自身が“連覇”を公言し、来季もやる気満々。なので、“今オフは単年契約をして、来オフにポスティング”というシナリオが有力になってきた」(同)

 彼が“留年”する気になった理由の一つには、

「来年3月のWBCで、日本のエースとしてマウンドに立ちたい、との思いを強くしたようです」(友成氏)

 つまり、少なくともあと1年、長ければあと3年は、日本で大谷を拝めそうである。そしてその後は、念願のメジャーというわけだ。

「金額は“7年2億ドル(約210億円)”といったところでしょうか。これほどの額を出せる球団はいくつかに限られますね」(同)

 もしかして、黒田とヤンキースで再会、なんてこともあるかも!?

特大ワイド「ふりむけば百鬼夜行」より

週刊新潮 2016年11月10日神帰月増大号掲載

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