佐藤ゆかり、パーティーを二階幹事長にすっぽかされる 地元では“告発合戦”

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「政界渡り鳥」が都知事へと登りつめた今、この人はさしずめ「政界家なき子」といったところか。2005年の初当選以来、国替えを繰り返し、ついでに各地で揉め事を引き起こしてきた佐藤ゆかり議員(55)。今回は、実力者の恩恵に与ろうとしながら、あえなく失敗に終わった顛末である。

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箔をつけ損ねた……

 さしあたって現在、衆院大阪11区(枚方市・交野市)を根城にしている彼女は、これまで岐阜、東京、参院比例、山形と渡り歩いてきた過去がある。その大阪でも目下、穏やかならざる状況に陥っていて、さる自民党府連関係者が言うには、

「党支部の運営をめぐり、かねてより枚方市支部長の出来成元(できしげちか)前府議と対立を繰り返してきました。3月には出来さんが虚偽の文書で名誉を傷つけられたとして佐藤さんを提訴。また4月には、地元業者から受けた200万円の献金の処理をめぐり、互いが政治資金規正法違反容疑で刑事告発する事態へと発展したのです」

 もう1つの拠点である交野市支部のトップとも揉めてしまい、すっかり四面楚歌となってしまった佐藤議員。そこで、起死回生を図るべくすがったのが二階俊博幹事長であった。

「議員在職10周年を兼ねて開く政治資金パーティーに出席してもらおうと、佐藤さんは就任直後の二階さんに直接お願いした。すると幹事長は了承してくれ、彼女は大喜びで案内状を配り始めました」(同)

 大幹事長の来訪となればおのずと箔もつく。願ってもない巻き返しのチャンスだったのだが、あろうことか当日、大きな“落とし穴”が待っていた。

■「二度と来るかい」

 パーティーは10月16日、ホテルニューオータニ大阪「鳳凰の間」で催された。さる後援会関係者の話。

「パーティー券は2万円でした。2部構成で、二階さんは18時からの1部『政経セミナー』講師として呼ばれていた。我々は『地元で色々あったけど、佐藤さんにはまだ力があるんやな』と、幹事長の登場を楽しみにしていました」

 ところが、

「その冒頭、数百人の出席者を前に『予定されていた二階幹事長は(当日の)新潟県知事選の対応で欠席となりました』とアナウンスがあった。なんやそれ、と我々は唖然としたのです」

新潟県知事選の対応で欠席に

 時間がぽっかりと空いてしまい、佐藤議員自らその場を取り繕う破目に。続く「第2部」の乾杯後は、早々に退出する人が目立ったという。

「二階さんの欠席については、事前に出席者はおろか後援会幹部にも連絡がなかった。中には『もう二度と来るかい』と怒っている人もいました」(同)

 ちなみに、地元の枚方市議は4人中1人しか出席せず。交野市議も2人のうち1人だけ。自身の現状を如実に物語っているのだが、ご本人に聞くと、代理人名でこんな回答が――

〈佐藤が、二階幹事長が欠席される旨の連絡を受けたのは前日の午後です〉

 つまりは、直前でソデにされたというわけだ。で、なおも本人に質すと、

「回答しましたよね」

 と、一瞥をくれるのみ。

 先述した出来前府議との刑事告発合戦は、10月中旬に関係者が大阪地検に呼ばれるなど、動きを見せている。その前府議は、

「彼女は自分の非は認めず、相手の立場も慮れない。だからついて行く人がいなくなるのです」

“家なき子”どころか、次は議員でなくなるかもしれない。

特大ワイド「ふりむけば百鬼夜行」より

週刊新潮 2016年11月10日神帰月増大号掲載

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