「朴槿恵大統領」逮捕の可能性は “エセ宗教家”のマインドコントロール下に

国際 韓国・北朝鮮

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 鎌倉幕府の将軍が執権北条氏に操られていたのとは、わけが違う。曲がりなりにも近代国家の大統領が、一介の私人の操り人形も同然だったというのだ。朴槿恵大統領(64)の行く手にはもはや「逮捕」の2文字までチラつきはじめた。

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 たとえば2013年1月、大統領選で勝った朴氏に安倍総理が特使団を送った際も、接見用文書が事前に崔順実(チェスンシル)氏(60)に渡り、日本側が竹島の日について譲歩すれば「笑顔で対応するように」などと、崔氏から指示されていたという。

 特使の一人だった元官房長官の河村建夫代議士は、

「友人だというだけで、まったくの一般人に機密文書を見せていたとは、日本では考えられないことですよね。なんでそれが許されたのか、理解に苦しむ」

 と、戸惑いを隠さない。

緊急記者会見で崔氏に機密資料を渡したことを事実だと認め、国民に謝罪する朴槿恵大統領

 もっとも、韓国では、

「朴大統領は就任当初から、何を考え、誰と相談しているかわからなかった。大臣ともスタッフとも意思疎通が行われず、謎めいて“不通(プルトン)大統領”というあだ名ができていたくらいです」

 と、産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏。実は、この「謎」を解いていたのは、14年10月、ソウルの地検に名誉毀損で起訴された産経前ソウル支局長の加藤達也氏だという。加藤氏をよく知る人物が語る。

「加藤さんは証券街の噂として、朴大統領と友人の崔順実氏の元夫、鄭允会(チョンユンフェ)氏との関係を書いた。朴氏は国会議員時代に側近を探していて、崔氏から夫の鄭氏を紹介され、以来7年、鄭氏は秘書室長を務めた。2人は人には言えない秘密の関係、“秘線”ではないのか。そう書くと検察に名誉毀損で引っ張られ、鄭氏と崔氏についてどこまで知っているのかと執拗に聞かれたのです。政権を守る存在である韓国検察から、“秘線”を知っているのかと異常に警戒され、加藤さんは“これが政権のタブーなのか”と気づいたそうです」

■マインドコントロール

 朴氏に「謎」が生じた経緯を黒田氏が説くには、

「朴槿恵という人は両親をテロと暗殺で失い、孤独な環境下で成長していく中で、精神的な隙間に崔太敏(テミン)、順実父娘が入ってきた」

 さるソウル特派員は、

「母を失って茫然自失の朴槿恵の下に、“お母さんの声を聞きたければ私が聞かせてあげます”と書かれた手紙が届いた。差出人は崔太敏で、単なるイタコ芸なんですが、朴氏はコロッと落ちてしまった」

 再び黒田氏が語る。

「崔太敏は自称、牧師でしたが、いろんな宗教を総合したとかいうもので、要は宗教的に装って口先で人を騙すエセ宗教家。過去に詐欺的事件も起こしている。それが朴槿恵の精神的空白に入り込んでマインドコントロールし、太敏の死後は娘が受け継いで操っていた。朴大統領は謝罪した際、“政権初期に助言を受けたことがある”と言っていましたが、実際は最近まで影響力があったようです」

 で、操り人形の今後やいかに。「コリア・レポート」の辺真一編集長によれば、

「韓国で弾劾を可決するには国会議員の3分の2の賛成が必要で、現在与党は129人。29人の造反が必要ですが、与党内の反朴派は大統領の党籍剥奪も求めており、成立する可能性もある。本人から辞める可能性は、韓国では失政によって辞めた例はないものの、11月には20万人規模のデモも予定され、事態収拾のための辞任はありえます。18年2月に新大統領誕生で政権交代となれば、逮捕の可能性も出てきます」

 ただし、その前にいろいろと手を打たれかねない。

「韓国では支持率25%が死に体かどうかのボーダーなのに、現在14%。そこで三つの可能性がある。一つは反日。二つめは李明博(イミョンバク)前大統領を引きずり出してスケープゴートにする。三つめは北朝鮮との軍事衝突。崔順実は“金正恩政権はあと2年で倒れる”と吹聴していたといわれ、信じた朴大統領は今年から対北強硬策を打ち出していました」

 糸が切れて制御不能の人形は、さらに怖そうだ。

特大ワイド「ふりむけば百鬼夜行」より

週刊新潮 2016年11月10日神帰月増大号掲載

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