「ルパン三世 カリオストロの城」MX4D化、新たなビジネスモデルに?

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 10月14日、「金曜ロードSHOW!」(日テレ系)の枠で放送された映画「ルパン三世 カリオストロの城」。いわずと知れたモンキー・パンチ原作漫画のアニメ化で1979年に公開された劇場版第2弾である。

 地上波での放送はこれで15回目! それでも視聴率は12・4%と確実に数字を見込める作品なのだが、

「公開時の興行収入は6・1億円と成功とは言えなかった。しかし、後に大ヒットメーカーとなる宮崎駿の長編映画初監督作品であることも加わって再評価。中には宮崎作品でナンバー1との声も」(業界誌記者)

「カリオストロ」がMX4Dに(イメージ)

 公開から37年を経て、その名作が進化する。来年1月、MX4Dで劇場公開されることが決まったのだ。MX4Dとは、スクリーンに合わせて、座席が上下左右前後に動き、ミスト、ストロボ、煙などの特殊効果によって作品への没入感を高めるシステムのこと。

「MX4Dは米国で開発されたもので、従来は米国内でしか作業できませんでした。しかし、ソニービジネスソリューションがライセンスを取得し、今年より国内で作業できるようになってコストも下がった」(同)

 昔の作品にそれほど金はかけられない。コストダウンは欠かせなかった。“カリオストロ”は3年をかけたリマスターを経て、現在はMX4D化の真っ最中。

「長編に特殊効果を入れすぎると疲れてしまうのでそのあたりの加減も重要なんです。まあ、冒頭のカーチェイスは座席の動きと風でしょうかね……」

 とは制作会社のトムス・エンタテインメント。

 いまや誰もが知っている“カリオストロ”だが、劇場のスクリーンで見たという人は意外に少ない。ルパンが屋根から屋根へと飛び移るシーンはスクリーンでなければ味わえぬ迫力と面白さ。加えてMX4D効果。

「上手くいけば、過去の作品をMX4D化するビジネスモデルにも。ただ、MX4Dを導入したTOHOシネマズがまだ全国12館。1月にはもっと増えるというのですが……」(前出記者)

 ルパンはあなたの心を盗めるか。

週刊新潮 2016年10月27日号掲載

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