長寿は万人の夢だった。だから医学の日進月歩も歓迎されたが、がんを消す「夢の薬」が高価なあまり国が亡びてしまっては、元も子もない。命をつなぐべき医学が、命を追い詰める現状をレポートする短期集中連載の第1回。今、あるべき死生観を問う対談である。
これまでとは違う仕組みでがんを消す“夢の薬”の登場に、今、世の中が沸いている。その名はオプジーボ(一般名はニボルマブ)。免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる新しいタイプの分子標的薬で、もともと体に備わっている免疫力を利用してがん細胞を消すという。...
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渡辺徹、週に3回の人工透析…成人病のデパートに
「国民的疾患」とされる糖尿病は、自覚症状が出た時には手遅れの場合が多い。そのため「サイレント・キラー」とも呼ばれるが、いまや患者数は310万人に達し、さらにその1割の約32万人が人工透析による治療を受けている。俳優の渡辺徹(55)もその1人で、いつの間にか“成人病のデパート”と化していた。
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弱冠20歳にして、当時の人気刑事ドラマ「太陽にほえろ!」で華々しくデビューした渡辺も、30年を経たいまは満身創痍の状態だ。
30歳で糖尿病と診断されて以降、2012年4月には虚血性心疾患が判明し、完全に閉塞した冠動脈の血流を復活させるために、6時間ものカテーテル手術を受けて一命を取り留めた。...
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